3つの保健機能食品の信頼性
〜怪しい健康食品との見分け方

世の中には健康食品があふれていますよね。
ヘタしたら普通の食品よりも健康食品の方が多いんじゃないかって思うくらいです。

これだけ健康食品が流通していたらみんな健康になって健康食品はいらなくなりそうですが、実際には健康食品はデフレにもかかわらずどんどん売れているようです。ダイエット方法が山ほどあるのにみんながみるみるやせるって現象が起きていないのと似ているような。

健康食品にも、「国のお墨付きがあるモノ」と、「その他大勢」の区分けがあるようです。そのお墨付きを与える仕組みが保健機能食品制度です。いわゆるトクホ(特定保健用食品)もそのひとつ。

でも国のお墨付きがあるから効果があるってにわかに信じられなくないですか?表示も消費者庁が次々新しいのを作って、今は3種類もあります。どのくらい信ぴょう性があるのか、ちょっと調べてみました。

薬ではない食品は効果効能を表示してはいけない

日本の健康食品の市場規模は2兆円を軽く超えるのだそうです。健康に効果があるとされる食品や飲料で1兆1382億円、サプリメントや健康食品で1兆5353円のビッグマーケットです。

そのため、売る方はあの手この手で商品を買ってもらおうと必死です。どれだけ健康に良いのかを猛アピールする必要があります。しかし、好き勝手に宣伝していいわけではありません。その時、絶対に守らなくてはいけないルールがあります。

健康(に良いとされる)食品は医薬品ではないため、薬のように効果や効能を表示することはできません。

「血圧が下がる」「糖尿病に効く」はもちろん、「ガンが治る」なんてもってのほか。そんな表示の商品いっぱいありそうですが、よく見ると「(健康に良いと噂のある)栄養成分がたくさん入っているよ(効くとは言ってない)」や、「あの有名人が愛用している(から効果ありそうでしょ)」と、うまく表現をぼやかしてあります。

しかし食品の中には健康に良い影響を及ぼす成分がちゃんと含まれていることもあります。どれもいっしょくただと頑張ってる商品がかわいそうですよね。その状況を受けて、しっかりとした根拠があるなら「健康増進に役立つ」と表示しても良いとルールがつくられました。それが保健機能食品制度です。

保健機能食品には3つの種類があります。「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」です。一般人にはいまいち違いがはっきりしませんが、それぞれに異なった目的と基準があります。これらは商品を売る際に機能性を表示しても良いことになっています。

保健機能食品に該当しない食品は、たとえどんなに栄養価が高くても機能性を表示してはいけません。卵や牛乳といった「完全栄養食」とも呼ばれる食品にそのような表示が見られないのは、「一般食品」に属するからです(最近ではビタミン配合の栄養機能卵などが売られるようになりましたが)。

たとえ見た目がまるで医薬品のような商品でも、保健機能食品ではないなら一般食品なので、機能性を表示したら違反です。

保健機能食品だけは「健康に良い」と書いてもいいんだって。

栄養豊富な牛乳や卵も、あやしい健康食品も、一般食品だから効果効能を表示しちゃいけないのね。

3つの保健機能食品、違いは?

保健機能食品は薬と違ってとても身近です。コンビニやスーパー、ドラッグストアにはありとあらゆる保健機能食品が並びます。飲料から調味料、インスタント食品、生鮮食品、タブレットや錠剤にいたるまで、さまざまな形状で売られています。

私は今までトクホと栄養機能食品、機能性表示食品の違いを意識したことがなかったのですが、目的や基準はずいぶんと違うようです。

国の審査がある「特定保健用食品(トクホ)」

認定基準がはっきりしていて、国による厳しい検査があるのが特定保健用食品です。健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいていることを証明する必要があります。1991年からスタートし、2019年1月10日時点で1061点の商品があります。

脂肪の吸収をおさえる、高血圧に効果があるといったお茶などが有名ですね。認可を受けた商品だけが認定マークを表示することができます。信頼性が高い反面、事業者にとっては商品開発や行政手続きの負担が重く、価格が高くなりがちです。

一番厳しい個別審査をパスしているのがトクホ!

基準を満たせば届け出も不要な「栄養機能食品」

すでに科学的な根拠が確認されたビタミンやミネラルなどの栄養成分のうち、国が指定した成分の基準値を満たしている食品であれば、とくに許可や届け出がなくても表示することができます。決まったマークやロゴはなく、「栄養機能食品(亜鉛、銅)」のように記載します。

記載している栄養成分の機能以外は書いてはいけません(ダイエット効果がある、など)。含有量は多すぎても少なすぎてもダメで、上限値と下限値が消費者庁によって規定されています。

自己認証ということで、現在どのくらいの商品数があるのかは不明です。

特定の栄養成分が必要量含まれているだけで表示できるのが栄養機能食品!

書類を提出すればOKの「機能性表示食品」

2015年に新たに追加された食品の機能性表示制度です。科学的根拠に基づいた機能性がある商品であればその効果を表示しても良いルールになっています。事前に届け出は必要ですが、国による個別の審査などはありません。事業者の自主性に委ねられています。

疾病の診断や治療、予防に効果があるように書いてはダメで、おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」のような表現を使うことが求められます。2019年1月16日時点で1714の商品に適用されています。

エビデンスは要るけど基本は作り手の自己申告の機能性表示食品!

保証されるのは「健康への効果」ではない

すでにお気づきの人もいるでしょうが、これって効き目を国が保証してくれるわけではないようですよね。表示に必要な条件をクリアしていることは証明してくれますが、その内容が正しいことまでは確認してくれません。

機能性表示食品は科学的根拠が説明できればよく、臨床試験の実施はマストではありません。栄養機能食品にいたっては指定された栄養成分が既定の範囲内で含まれていると自社が判断すれば届出すら必要ありません。

ズルしているところがあっても、個別の審査なしにどうやって確認するのでしょうか。栄養機能食品と機能性表示食品に関してはかなりふわっとした根拠に基づいていると考えるのが良いでしょう。

その点トクホはしっかりしていると思います。人を対象とした臨床試験で有効性を証明する必要があり、独立行政法人国立健康・栄養研究所がチェックします。

個別審査なので信頼性は高いです。しかしトクホには時間とお金がかかるというまた別の問題が。製造コストがかさめば、商品価格が上がります。トクホの商品がちょっと高めなのはこのためですね。

健康食品のうたい文句に対する疑問

機能性表示食品でもそれ以外の健康食品でも、あえて消費者に誤解を与えるような表現をしている商品が多くて、いつも疑問に感じています。たしかに法律には違反していないのだけれど、効果があると信じさせるよううまく作ってあるんですよね。

たとえばロート製薬の『セノビック』。

ホームページにも商品パッケージにもどこにも「背が伸びる」なんて書いていません。「子供の成長応援」と書いてあるだけです。でも、多くの消費者は子供の背を伸ばせるのと完全に期待していますよね。

うちの子はみんな背が高いのですが、「セノビック飲んでる?」って何百回聞かれたか分かりません(笑)

他にもモヤっとする宣伝手法があります。

朝に食べるシリアルなのですが、パッケージには「栄養機能食品」とあります。その自慢の栄養成分を見てもらっていいですか。


食パンとシリアルではおかずが同じでもこんなに栄養が違いますよ、シリアルすごいですよという図なのですが、正直言ってこの比較はフェアじゃないんですよね。

下の表を見てもらえばわかるのですが、多くが牛乳の栄養の高さが寄与しています。


牛乳の栄養価をさも自社製品の手柄のように・・・!

正しい比較にするならば、パン食の方にも牛乳を付けないといけません。とてもズルいと思うのですが、こういった表現は市場ではまかりとおっていて、いくら制度を整備してもすべて取り締まるのには限度がありますよね。やはり買う側がしっかりしていないといけないようです。

保健機能食品を買う時の注意事項

保健機能食品には一定の信頼性があることが分かります。特にトクホは厳しい審査をパスしているので信ぴょう性はありそうです。では、トクホ食品を摂取すればラベルにあるような効果を得ることができるのでしょうか?

薬のような効果は期待できない

トクホをはじめとする保健機能食品は健康増進に役立つことが期待できます。ただし病気を治療することや劇的な効果を得ることは難しいでしょう。なぜなら、臨床試験で得られた効果は、別の条件下にある別の人にも得られる可能性はそう高くないからです。

たとえば40代男性に対しておこなわれた実験結果が20代女性にも当てはまるとは限りません。食品表示にはそこまで詳しい情報は載っておらず、誰にでも効果があるものと誤解する恐れがあります。

不摂生をチャラにはできない

よく偏食や寝不足などの不摂生を健康食品でカバーしようとする人を見かけるのですが、健康食品には不健康な生活習慣をチャラにするほどの力はありません。昨日飲み過ぎたからとトクホ茶を飲んだところで、飲み食いしたものが体外に排出されるわけではないです。

私も激務だった頃、夜中の2時まで仕事してカップラーメンだけだと不健康だからと『からだ想い』という野菜ジュースを買っていたのですが、今思えば全然体のこと想っていませんでした(笑)。まずは規則的な生活とバランスのとれた食事をすることが大前提ですね。

摂り過ぎに注意

何事にもちょうどいい“量”というものがあり、体に良いといわれる成分でも不必要に取り過ぎると不健康の元です。水だって飲み過ぎると死ぬといいます。

医薬品は用法用量を守らないと効果が得られずかえって副作用が強くなる傾向がありますが、健康食品にも同じことがいえます。特に成分を濃縮した錠剤タイプなどは過剰摂取になりやすいので注意するよう医師会も呼び掛けています。


〜白金ちな〜

3児を育てるFP母。キラキラ派でも自然派でもない快適な暮らしを模索中。料理は美味しく作るより美味しそうに食べるほうが得意。自分の意見はしっかりしているけど争いごとは嫌い。手触りのいいものが好き、羊とか。面食いじゃなくて麺食い。


〜ラムチョップ〜

ちなにしか姿が見えない賢い羊。ちなの疑問や不満に豊富な知識で答えてくれる。体は子羊、頭脳はAI。時々暴走するちなの抑え役だが、いちばんの理解者でもある。眠れない人の目の前で何度も柵を往復して100回以内に寝かせるのが得意。1歳違いの兄の名前はマトン。