状況別の注意点を知ってスムーズにマンションを売却しよう!

マンションを売却するとき、そのマンションの状況・状態によって注意しなければならないことがあります。注意点を知らないとマンション売却をスムーズに行えません。そこで、「ローンが残っているマンション」「相続したマンション」「賃貸中のマンション」「築年数が古いマンション」の4つのケースについて注意点を紹介します。注意点を知れば売却をスムーズに効率よく進められます。

ローンが残っているマンションを売却するとき

多くの人が住宅ローンを利用してマンションを購入するため、売却するときにローンがまだ残っていることがあります。ローンが残っていてもマンションを売りに出すことは可能です。しかし、買い主が決まって売買契約を締結するには、銀行の抵当権を抹消しなければなりません。抹消するにはローン残高を一括返済する必要があります。

「売却価格 < ローン残高」の場合は注意

売却価格がローン残高を上回る場合は、売却で得たお金を銀行への返済に利用できるのでまったく問題ありません。しかし、売却価格がローン残高を下回る場合は、ローン残高と売却価格の差額を自己資金として準備しておかねば売却できません。

例えば、売却するマンションに2,000万円のローン残高があったときに1,800万円でしか売却できなかったとき、200万円を今まで返済していたように毎月返済していくことはできません。

また、仲介手数料を含む売却に必要な諸経費、引っ越し費用も発生するのでそれらの費用も準備しておかねば売却できません。ローン残高と売却できそうな価格が同程度、または下回る場合は、諸経費がいくらになるかを見積もって、その費用も含めてローン残高を一括返済できる資金をまず準備できるかの検討が必要です。

なお、マンションの売却価格がマンションの取得費を上回ると、譲渡所得として翌年の3月に確定申告をして、売却利益に対し所得税と住民税を納税しなければならなくなる可能性があります。売却利益が出るときは、納税に必要な資金も考慮しなければなりません。取得費には以下の費用が含まれます。

  • マンションの購入代金
    建物価格からは売却までの減価償却費の控除が必要です
  • 購入時、または売却時に支払った諸経費
    仲介手数料、印紙代、登記費用、不動産取得税など

なお、売却利益が出ても、住んでいたマンションの売却であれば、3,000万円の特別控除が利用できます。そのため売却による利益が3,000万円以内であれば課税されません。特別控除は、住んでいたマンションでも住まなくなってから3年目を経過した年の12月31日をこえて売却したり、売却相手が親族など特別な関係者であったりなどの条件を満たすと利用できません。

譲渡所得による利益については、マンションの所有期間の違いによって税率が異なります。売却利益が出るときは、売却した年の1月1日の時点で所有期間が5年を超えているか、超えていないかによって約2倍も税率が異なるので売却タイミングに注意が必要です。

5年の基準とは、例えばマンションの取得年月日が2014年9月1日であれば、5年は2019年9月2日であればこえますが、2019年1月1日の時点では5年をこえていないため、2020年1月1日以降に売却しなければ5年をこえたことにならないので注意が必要です。

  • 5年をこえないとき = 短期譲渡所得税率39.63%
    住民税9%と復興特別所得税を含みます
  • 5年をこえるとき = 長期譲渡所得税率20.315%
    住民税5%と復興特別所得税を含みます。所有期間が10年をこえるとさらに軽減された税率が適用されます

相続したマンションを売却するとき

「マンションを相続したけれど、住むつもりがないので売却したい」「複数の相続人で1つマンションを相続したけれど、マンションでは分割できないので売却して現金で分割しなければならない」等のケースがあります。

相続したマンションに住宅ローンが残っていれば、上記の「ローンが残っているマンションを売却するとき」と同じ点に注意する必要があります。ただし、そのマンションに住んでい人に適用される3,000万円の特別控除はありません。利益があれば必ず課税されます。

それ以外に、マンションを相続すると相続税がマンションの価値によっては課税されます。相続とマンション売却は、まったく別のことですが、マンションを相続してすぐに売却することもあるので相続税に関する知識も持っていたほうが役に立つでしょう。

また、相続後3年10カ月以内に売却するなど一定の条件を満たすと、支払った相続税を売却利益から控除できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」が利用できます。

相続税は、亡くなった人が所有していたマンションなどの不動産や預貯金などの相続財産の合計(遺産総額)が、一定の金額を越えると発生します。ここではマンションだけが相続財産であったとして説明します。

遺産総額から相続税の基礎控除額を差し引いた残りの金額に対して相続税が課税されます。マンションの評価額が基礎控除額を下回っていれば、マンション以外の遺産がないため相続税は発生しません。

相続税の基礎控除額

相続税の基礎控除額は、

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数

になります。

法定相続人とは法律が定める相続人のことで配偶者や子どもなどです。法定相続人が配偶者と子ども2人であるとすると、基礎控除額は4,800万円(=3,000万円+600万円×3人)です。この場合は、マンションの評価額が4,800万円以下であれば相続税は発生しません。

相続税が課税されるマンションの価格は実際に売買される価格の8掛け程度、固定資産税評価額の1.14倍程度です。相続税の税率は、金額に応じて相続額が1,000万円以下の最低10%から、6億円をこえる最大55%までの8段階に分かれています。

賃貸中のマンションを売却するとき

賃貸中のマンションを売却するときは、不動産収益が得られる「収益物件」として売却価格が決定されます。そのため、一般的には賃貸人がいないときよりも売却価格は低くなる可能性があります。

収益物件として売却価格が決まるとは、例えば年間100万円の賃貸料収入があるとき、6%の収益物件とみなされると、売却価格は1,667万円(=100万円÷0.06)となります。

そのマンションの価値が時価や固定資産税評価額から2,000万円と評価されたとしても、その価格での売却は困難です。

なお、マンションの売却にあたって賃貸人の了解を事前に得る必要はありません。また、敷金を預かっている場合も、敷金は新しい買い主との間で受け渡しの手続きを行います。ただし、敷金は賃貸者が退去するときに返してもらえる権利のあるお金なので、賃貸者が心配することを避けるために売却後に「賃貸人の地位承継通知書or同意書」を「売り主」・「買い主」・「賃貸者」の3者で売却後に締結します。

築年数が古いマンションを売却するとき

築年数の古いマンション、特に1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションは耐震補強工事がされていないと、買い主が敬遠するため売却が難しいのが現実です。

参考・国土交通省「住宅・建築物の耐震化について

そのため室内を大規模にリフォームして、少しでも見栄えをよくしてから売却しようのではないでしょうかが、最低限のリフォームは別にして大規模なリフォームはあまり費用対効果がよくありません。むしろ、大規模なリフォーム費用分を売却価格から値引きすることを訴求したほうが売却には効果的です。

大規模なリフォームをしないほうがよい理由は、リフォームの好みが個々に異なるため買い主の希望に合うリフォームができないこと、また、購入希望者そのものが少ないため売却できないとリフォーム費用が無駄になるからです。

まとめ

マンションを売却するとき所有するマンションの状況・状態によって注意すべきことを4つのケースについて紹介しました。ケース別に注意すべき点を理解しておくと売却をスムーズに行え、また売却後に驚かなくても済みます。なお、税制度については改正が行われる可能性があります。必ず最新の制度を確認してください。

2020年2月現在でおすすめ
不動産査定サイト

現時点でもっともおすすめの不動産査定サイトは「イエウール」です。約60秒の入力時間で、全国1,600社以上の不動産会社から、最大6社の査定額を同時比較できます。

オンライン入力のみでおおよその価格を知ることができる「机上査定」、実際に不動産業者が訪問して査定する「訪問査定」を選択できます。月間利用者1万人以上。全都道府県対応、無料でご利用できます。