2020年はタワマンの終わりの始まりか?
タワーマンションの今


タワマンに興味ありますか?私はないです。理由はそんなお金ないからです(泣)
都心のタワーマンションはステータスの象徴ですが、最近は都心以外にもタワマンが建設されるようになりました。お高い中にもお手頃価格も含まれているのだとか。

でも、地震や台風による被害でタワマンの脆弱性が報道されると、人気にもやや変化がみられるようです。特に台風19号で武蔵小杉のマンションが被害に遭った風景はインパクトがありました。

雑誌などでもタワマン危機の特集をよく見かけるようになりました。いじめられているのをみると味方をしてあげたくなる私(笑)、本当にタワマンは落ち目なのでしょうか?

まず「タワマン」とは何かをおさらい

ところでタワーマンションって何をもってタワーマンションなのでしょうか?

「タワーマンション」の定義

タワーマンションの用語自体には明確な基準はありません。ただ建築基準法では高さ60m以上の建築物を「超高層建築物」と定義されています(建築基準法20条1項一号)。高さ60mは20階建て相当であることから、20階建て以上の住居用マンションをタワーマンションと呼ぶことが多いそうです。

タワマンには法律上の基準はないみたいだね。

自称もオッケーってことか…

タワマンは高ければ高いほど値段も高い

最近では高さ200mを超すタワーマンションも珍しくなくなっています。確かにタワマンは50階くらいないとタワマンとしての迫力が出ないような気もしますね。そして建物が高くなるほど構造強度・設備安全性・消防設備などの厳しい基準が適用されます。

地震でも最上階が一定以上振れない耐震性や安全性の高いエレベーター、カーテンやじゅうたん等を防炎物品にする、ヘリコプターの「緊急離着陸場」の設置など、タワマンは超高層建築であるという理由でさまざまな設備を標準装備することを義務付けられています。

お金かかりそうー。

そうです。タワーマンションは建設や維持に莫大な費用がかかるため、価格が高く設定されています。何も高級そうなホールや専属のコンシェルジュが付いているからだけじゃないんですね。高価格でも購入できる世帯が主な顧客となるため、結果的にタワーマンションに住むことがステータスシンボルとなったようです。

タワマンを選ぶメリット

タワーマンションの売りとしては以下のものが有名です。

  • 眺望が良い
  • 日当たりが良い
  • 設備が充実している
  • 防犯・セキュリティ面で安心
  • 商業施設や文化施設が充実している
  • 資産価値が下がりにくい

意外と現実的な理由として「通勤が楽」というのもあるようです。タワーマンションは主要な駅周辺など立地が良いことが多く、“痛勤”を1時間以上して郊外に一軒家を構えるよりも、多少手狭でも都心のマンションが良いという動機です。

中には「カッコイイから!」というステータス重視の人もいるでしょう。もちろん、それは個人の自由です。確かにタワマンのパンフなどを眺めていると、リッチな気分になれますよね。しかし一般の人が考えるほどタワマンを購入する人は利便性や機能性を重視しているようです。

メディアで「タワマン叩き」が始まった


ところが、雑誌やネットニュースではタワーマンションを悪く言う特集が増えてきました。ちょっと調べただけでもこんなにたくさんあります。

「タワマン」で検索したらずらっとこのような記事が並びます。少し前まであこがれの的だったはずなのに。批判は前からあったのかもしれませんが、目立つようになったのは2019年の秋ごろから、台風19号でタワーマンションが機能不全になる報道があった時期と重なります。

後になって分かったタワマンのデメリット

「タワマン叩き」が起こる前から、タワーマンションのデメリットについては知られていました。たとえば「エレベーターの待ち時間が長い」「外に洗濯物が干せない」などです。

しかし、相次ぐ災害でタワーマンションが持つ防災への脆弱性が浮き彫りになった結果、購入に二の足を踏む消費者が増えてきていると先ほどの記事の中にもあります。

新たに分かったタワマンのデメリット①:水害に弱い

タワーマンションは耐震性に優れていることは厳しい建築基準からも分かります。では洪水などによる浸水に対してはどうでしょうか?実はタワーマンションが災害に強いのは主に地震に対してで、水害にはあまり強くないことが、武蔵小杉の浸水被害によって広く知られることとなりました。

高い建物なのだから洪水が起こってもむしろ安全なのではないかと思うところですが、このような集合住宅には地下に電気やポンプの設備が配置されていることが多く、それらが浸水してしまうと停電や断水につながってしまうのです。

事実、武蔵小杉のタワーマンションでは排水機能が失われ、トイレすら使えない状態が続きました。

配電や水道の設備が地下に集中しているのはタワーマンションに限った話ではありません。ただタワーマンションは高額なだけにあらゆる心配がないと思われがちなのが落とし穴なのです。電気や水の喪失の対策をしているマンションもありますが、ごく少数です。

新たに分かったタワマンのデメリット②:停電に弱い

タワーマンションは停電によるダメージも大きいのです。まず大変だと想像できるのがエレベーターですね。当然ですが電気が止まればエレベーターは動きません。5階でもたいがいですが、30階や40階、あるいはそれ以上の上層階の人が階段で上り下りするなんて考えられません。でも実際にそういう事態になったところがあると言うので驚きです。

配電設備が被害を受けると一斉に多くの住居で電気が使えなくなるのもタワーマンションの特徴です。タワーマンションにはオール電化を採用しているところも多く、停電の不便さは大変なことになるでしょう。

大規模なタワーマンションでは総戸数が2000を超えるところもあります。1戸だけでもいろいろと大変な停電がこれだけの規模で起きてしまうと、パニックになりかねませんね。

小さい子抱えて生活用水買いに行って、階段で30階まで戻るとか地獄過ぎる…

新たに分かったタワマンのデメリット③:大規模修繕が高額

マンションの共用設備は定期的なメンテナンスが必要です。部分的な補修などは普段から必要に応じておこなうとして、全体的な大規模修繕は周期的に手掛けることとなっています。大規模修繕は12年ごとが一般的なようです。

2020年になった今、2005年~2008年頃に建てられたタワーマンションは続々と大規模修繕の時期を迎えています。

タワーマンションは屋上ヘリポートなどを含む特別な設備が必要なことは述べました。ということは大規模修繕の費用も高額になるということです。そのため、各地のタワーマンションでは修繕費が足りない、予定以上の費用がかかるなどといった問題が起こっているようです。

たとえば埼玉県川口市の「エルザタワー55」は、高額な大規模修繕費で有名になった事例です。1998年に竣工し、17年目に大規模修繕が始まり、工期2年、修繕費12億円とこれまでにない規模になったそうです。650戸の物件なので、単純計算で1戸あたりの約185万円の負担です。

タワーマンションの修繕費が高額になる理由は、建築基準に基づく特別な設備が必要なことと、工事における足場の設営コストが高くつくからです。エンゼルタワー55の場合は管理組合がしっかり合意形成に動いていたため無事に工事が終了しましたが、中にはそうは至らないケースも多いようです。

タワマンの廃墟化、スラム化が進む

タワーマンションが急増したのは大都市法が改正され、都心部の容積率が大幅に緩和された1995年以降です。特に建設ラッシュが進んだのは2007~2009年頃(不動産経済研究所)。それらは2022年頃から大規模修繕の時期を迎えます。

修繕積立金が足りない

実は、タワーマンションに限らず購入時には修繕積立金が十分に設定されていない場合があるそうです。不動産会社が商品を良く見せるためにいい加減なことを言ったとも考えられますが、想定していたよりも費用がかかることが後になってから判明したといったこともあります。

パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」(59階建て、794戸、2009年竣工)は、長期修繕計画を見直した結果、大幅な資金不足が生じることがわかり、2013年に修繕積立金月額を約2.5倍に引き上げました。

しかし、合意形成にいたらない場合はどうでしょうか。修繕費が足りないため、大規模修繕を先送りしたり、規模を縮小するところが出てきています。

管理が行き届いていないタワマンは人が離れる

タワーマンションの購入者は、セカンドハウス利用の富裕層、無理して住宅ローンを組んで購入した庶民、投資目的の外国人、子育て世代から単身者までさまざまです。すべての入居者が管理組合に協力的とは限りません。

もし十分な修繕費が集まらない場合は、十分な修繕をおこなうことができません。するとどうなるか。管理が行き届いていない物件は敬遠され、資産価値が低下します。売却されたものの次の回手が付かず空室率が上がる、値下げによりさらに資産価値が下がり、最終的にはスラム化するという悪循環が発生しかねません。

特にタワーマンションは入居者が多いため合意形成が大変です。行き届いた設備やメンテナンスが売りのタワーマンションで十分な管理ができないというのは致命的と言えるでしょう。

2025年以降は築30年を迎えるタワマンが続出するのかー

お金があったらタワマンに住みたいか

ここでタワーマンションに関する私の考えです。

異様なタワマンバッシングには疑問

タワーマンションについては災害で思わぬ脆弱性が露呈し、日常生活でもエレベーターや駅までの渋滞など生活上の困った事情が報道されています。そのたびに感じるのが、どこか他人の不幸を喜ぶニュアンスを感じることです。

武蔵小杉の浸水では排水設備の故障のためトイレが使えなくなりましたが、「うんこ禁止令w」などと揶揄されているのはさすがに気の毒に感じました。

どこに住んでいても被害者は被害者、災害にあったことを喜ぶことは許されないはずなのに、なぜかタワーマンションばかりがバッシング対象になっているふしがあります。

それ以外にも、マンションの上層階と下層階でいがみ合いがあることがさもタワーマンション特有の問題であるかのように取り上げたり、購入者はステータスに固執する人のように取り上げたりするのは悪意を感じます。

それでもタワマンには住まないと考える理由

それでも私自身がタワーマンションに住みたいかと聞かれると、「住みたくない」と答えます。なぜなら、高いから(笑)。

高くないならもちろん住みたいですよ?きれいだし便利だしカッコイイし、虫は出ないし、都会なら美味しいお店や娯楽施設がたくさんありそう。子育てに向いているかどうかは分かりませんが、誰か安くて譲ってくれるならぜひ住みたいです(笑)。

個人的な好みとして、エレベーターを待つのが面倒とか、人が多いのは苦手とかありますが、タワーマンションに住まない理由を聞かれると住居費の高さしかないですね。だからそこに住んでいる人にうらやましさはあっても批判したくなる気持ちは分かりません。

住みたい場所ってひとそれぞれですよね。タワーマンションはしばらく建設が続くようですし、そのうち珍しくもなくなるでしょう。すると理不尽なタワマン批判のようなものもなくなるはずです。