高齢者世帯の引越しのコツ
〜各業者シニアパックを調べてみた
シニアの引越しは単身者や新婚夫婦、ファミリーのそれとはまた違います。少子高齢化社会への流れを受けて、シニア向けプランを打ち出している引越し業者が増えてきました。どのようなプランなのでしょうか?
高齢者世帯の引越しの特徴
シニアの引越しは1人または2人の場合が多いのですが、同じ1~2人でも実家から独立する若者やこれから新生活を始める夫婦とは大きく異なる点があります。それは「荷物が多い」ことです。
長年の生活で家具や家電、衣類や雑貨、日用品や思い出の品がたまりにたまった状態です。これから新生活を始める人たちに比べて、決して身軽ではありません。
高齢者が引越しをする必要が出てくる状況としては、子供が独立して広すぎる一軒家からマンションに移る、二世帯住宅で子供世帯と同居、高齢者施設への入居が考えられます。
いずれにしても荷物は減らしていかなければなりません。すると次の2つの困った点が出てきます。
- 「いる」「いらない」の仕分けが大変
- 荷造りや荷解きの手間がかかる
特に高齢者の場合モノが捨てられない傾向があります。自身でやろうとすると「これはあの時の…捨てるかどうかは後で考えよう…」となりがちです。
小荷物や食器でも、荷造りや荷解きにはけっこうな体力を要します。よっぽどのアクティブシニアでない限り、すべて自力でおこなうのは大変でしょう。
シニアプランの特色は「フルプラン」と「無料相談」
そのようなニーズを受けて、引越し業者もシニア向けのプランを続々と打ち出しています。ポイントは、先ほど挙げたような高齢者の引越しの「困った」を手助けするサービスです。シニア向けのサービスがある業者とその具体的な内容はこちらです。
高齢者の引越しを対象としたプランは、荷造り・荷解きをおまかせするいわゆる「フルプラン」と…
整理整頓・不用品の選別の手伝いや収納のアドバイスをする「無料相談」が特徴です。
ハート引越センターは特に充実していて、「安心フルサポートプラン」では荷造り・荷解き、家具のセッティングなどの引越し作業に加え、引越し前の計画から、新居の掃除や収納の相談を含めた引越し後のアフターケア、公共料金の手続き代行までサポートしています。特に高齢者が苦手とするモノの整理や処分には、専門の「サポートレディ」が支援する体制を整えています。
ハトのマークの引越センターは「引越管理士」が1日立ち会って荷物の整理から不要品処分について相談に乗ってくれる「コンシェルジュサービス」が付いています。引越し後の掃除もやってくれるのが「分かっているな」という感じですね。
赤帽は、高齢者施設への転居や遺品整理・生前整理を得意としています。片づけや収納、不用品の処分等も取り扱っています。ただし基本的に赤帽は個人事業主の団体なので、近くの赤帽がどこまで対応してくれるかは事前に確認が必要です。
アーク引越センターはこの中では例外といっていいかも知れません。フルプランでも無料相談でもなく、「60歳以上夫婦が自力で荷造り・荷解きをすれば格安にする」というサービスとなっています。シニア割引ですね。気力と体力があって費用を節約したい人に向いています。
シニアプランの注意点
便利で手厚いシニアプランですが、以下のことには注意が必要です。
割高になる
シニア向けのプランは要するに、通常の引越しに荷造り・荷解きやハウスクリーニングといった各種オプションをプラスしたものです。その分料金は上乗せになるので、1~2人の引越しの割には費用が高くつくかもしれません。シニアプランで料金が優遇されるのはアーク引越センターくらいですね。
しかし、高齢者が苦手とする荷物の「いる」「いらない」の判断や、公共料金の手続きを代行してくれる人がいるのは頼もしいものです。
家族の手伝いではなかなか進まなかったものが、プロのアドバイスがあればスムーズに進められることもあるので、割に合うと考えるのであればシニアプランはおすすめです。
無料相談は回数や期限が限られる
引越しの計画や整理整頓について、いつでも何度でも相談ができるとは限りません。たとえばアート引越センターの「暮しの整理士」は引越しの1ヵ月前に1回2時間だけ無料で相談ができますが、それを超えると有料になります。
引越しの際につきっきりで一緒に作業をしてくれるのか、一般的なアドバイスをくれるだけなのか、相談の内容を把握することが大切です。
本当に高齢者の立場に立っているか
シニア向けプランには、通常のプランにオプションを付けただけのものから、きちんと高齢者の立場に立って作られているものまであります。
たとえばハート引越センターの場合、12時から13時までは昼食休憩を取るよう決められています。高齢者の体の負担を考えてのことです。
また、作業スタッフやサポートレディはお客への話し方や施設での立ち振る舞いについても教育が徹底されています。このように、「オプションが多いだけの引越し作業」なのか、「シニアの引越し向けに設計されたプラン」なのかを見分けることが大切です。
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