マンション売却後のトラブルやクレームに対する効果的な防止策


高額で購入時には分からない欠陥が隠れていることもあるマンションは、売却後に買い主からクレームが出てトラブルに発展する可能性があります。売買契約書を交わし、移転登記も完了しているのにトラブルにまで発展するのはなぜでしょうか。

また、トラブルを防止するにはどうすればよいのでしょうか。マンション売却後に発生する可能性のあるクレームやトラブルの防止策について解説します。

マンション売却後にトラブルやクレームが起きる理由

マンション売却では、売買契約書を取り交わして、移転登記も済み、物件の引き渡しが完了しても、数カ月後に欠陥が見つかったといって買い主からクレームを付けられると、欠陥の修理・補修、または損害賠償、あるいは修理・補修をしても住めない欠陥のときは契約解除をしなければいけません。

その理由は、マンションの売買契約では売り主に瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)があると法律が定めているからです。瑕疵担保責任とは、売却した不動産に隠れた欠陥(瑕疵といいます)がある場合、売り主には修理・補修や損害賠償に応じなければならないという義務のことです。

法律で責任を追う欠陥の範囲は、すべてではなく買い主が普通の注意をしても見つけられなかった欠陥についてのみです。そのため、壁や床のキズなどは含まれず雨漏りやシロアリによる被害などが該当します。欠陥の範囲はマンションそのもの以外の騒音や臭気などの住環境も欠陥に含まれます。

また、買い主がマンションに住んだときに心理的に大きな負担になるマンション内で起きた悲惨な事故・事件なども瑕疵担保責任に問われる欠陥に相当します。

修理・補修に応じなければならない期間は、法律では期限がなく無期限です。しかし、それでは売り主の負担が大きくなり過ぎるため、通常は売買契約書で引き渡し後2~3カ月以内に限定できます。

また、欠陥の範囲も特定の欠陥についてのみ瑕疵担保責任を負うと制限することが可能です。

なお、制限を付けていても売り主が故意に隠していたことが分かると売買契約書で定めた期限後でも、買い主がその欠陥に気づいてから1年以内にクレームをつけられると責任を負わねばなりません。隠さないで分かっている欠陥は事前に正直に話しておきましょう。

想定されるクレームの内容と瑕疵担保責任になる判断基準

主なクレームの内容とどのような場合に売り主に責任のある瑕疵担保責任になるのか基本的なポイントについて紹介します。

ただし、クレームの内容は個別に詳細な部分は異なるためもめて裁判になったとき、ここで紹介したとおりにならない可能性があります。

家具やカーペットで隠れていた床や壁にキズがある

内覧でマンションを見たときは、まだ売り主が住んでいたために家具やカーペットで隠れて気付かずに売買契約を交わしたが、転居時に気が付いてクレームを付けられたときなどの床や壁のキズは原則として瑕疵担保責任の対象外です。

その理由は、長く住んでいるとキズがつくのは一般的なため買い主が売り主の事情で確認ができなくても売り主は責任を負わなくてもよいからです。ただし、普通に住んでいてキズが付く範囲や程度をこえていると、場合によっては責任を問われる可能性があります。

転居後に住んでみたら夜間の生活騒音がひどく契約を解除したい

騒音の程度に依存し、買い主の個人的な主観による生活騒音のレベルであれば瑕疵担保責任を追う必要はありません。

ただし、誰もが住むには耐えられないと感じるレベルの大きな騒音と認定されると責任が生じる可能性があります。

築30年以上のマンションでお湯が突然でなくなった

築30年を超えていると給湯設備の場合、いつ壊れてもおかしくないので瑕疵担保期間内の1カ月以内に壊れても責任を負う必要は一般的にはありません。

ただし、30年をこえるメーカー保証の設備があれば、その保証期間中で瑕疵担保期間内に不具合が起こると責任が生じる可能性があります。

リフォーム箇所の不具合に対する修理のクレーム

リフォーム箇所の不具合は、一般的には正当な費用でリフォーム業者が仕事を請けていれば、リフォーム業者の責任であって売り主の責任ではないため、瑕疵担保責任は負う必要がなくリフォーム業者に対応を依頼すれば問題ありません。

売買契約締結後の引き渡しまでの期間に生じた欠陥に対する責任

売買契約書が締結済みでも引き渡しの日まで売り主が住んでいて、引き渡しの日までに生じたキズや設備の修理・補修は売り主の責任です。

引き渡し後に買い主から要求されたら修理・補修の責任を負わねばなりません。この責任は、一般的に原因が地震や風水害などの売り主にとって不可抗力の自然災害でも責任が生じます。

マンション売却後のトラブルやクレームの多い欠陥は設備機器

マンション売却後のクレーム内容は非常に広い範囲にわたりますが、トラブルやクレームになる大きな原因は、主に設備機器関連です。「メーカーが保証する期間よりも速く設備機器が壊れた」「水の出る量が少ない、濁っている」などです。

このような設備機器関係は、壊れやすく、また使っている段階で不具合の症状が出ていないかぎり壊れそうかは判断できません。

そのため、購入前にすでに壊れかけていたのか、購入後に壊れたのかの判断ができないためトラブルに発展します。そこで、クレームに発展しないようにする防止策を講じる必要があります。

設備機器のクレームやトラブルの防止策

設備機器の点検を第三者と一緒にしっかりしておく

設備機器の欠陥は、売却前からあったのか、売却後に買い主の過失で欠陥が生じたのか売り主は確認ができません。売却前にできるだけチェックして問題ないことを映像や画像に残しておくと問題なかったことが証明できます。

費用は発生しますが、業者に点検を依頼して問題のないことを確認してもらってもよいでしょう。あるいは、仲介の不動産業者に立ち会ってもらって動作を確認しておいてもよいでしょう。

引き渡しのとき買い主と一緒に確認をする

通常はマンションの引き渡しは不動産会社に依頼して、鍵の受け渡しだけで終わります。可能なら、鍵の受け渡しだけでなく買い主と一緒に設備の確認をできる範囲でしておくと、仮に欠陥が生じてもクレームにならないでしょう。不動産会社にも一緒に立ち会ってもらえるとより確実です。

瑕疵担保責任の範囲を小さくする

瑕疵担保責任は、売買契約書で一定の範囲に制限をかけられます。一方的に買い主には不利な条件は付けられませんが、売買期間や瑕疵担保の責任範囲を狭めることは可能です。

不動産会社の売買契約書のひな型を確認して、内容によっては不動産会社と相談して範囲を狭められないか相談しましょう。

クレームやトラブルになったら業界団体の相談機関を活用する

クレームやトラブルになって長期化すると精神的に応えます。そのようなときは、客観的な判断をしてくれる業界団体の相談窓口を利用すると、買い主による無理な要求を公平に判断して妥協点を見つけてくれます。以下の団体で相談に乗ってもらえる可能性があります。

まとめ

マンション売却後に買い主からクレームでトラブルになる可能性があります。その理由は瑕疵担保責任が売り主に義務づけられているからです。

瑕疵担保責任とはどのような内容か、また具体的なクレームやトラブルの内容、そしてクレームやトラブルを防止する対策などについて解説しました。無駄なクレームトラブルを避けるためにも本記事を参考にしっかりした対策を講じてください。

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