中古マンション4つの価格の概念
〜実取引価格の調べ方
マンション売却を検討するときに最も気になるのはいくらで売却できるかです。しかし、売却できる価格以外にもマンションを売却するにあたって知っておくべき価格が3つあります。それぞれの価格の違いを知るとマンション売却をスムーズに計画的に実行できます。
そこで、中古マンションに付けられる4つの価格についてそれぞれの内容を紹介し、これらの価格を利用したマンション売却方法を解説します。
中古マンションの4つの「価格の概念」
中古マンションを売却するとき、売却が決まるまでに売却するマンションには、
- 査定価格
- 希望売却価格
- 買取価格
- 実取引価格
以上の4つの価格が付きます。売却の希望条件によって、これら4つの価格には大きな金額の差があります。
不動産会社の査定価格
マンション売却は、通常は不動産会社に依頼して仲介販売で売却を進めます。
依頼を受けた不動産会社は、マンションの価値をマンション自体と周辺の同程度の立地や広さのマンション実取引価格や周辺環境などを考慮して約3カ月以内に売却が見込める価格を見積もります。それが査定価格です。
希望売却価格(売りに出すときの販売価格)
マンション売却をするときは、誰もが高値で売れることを希望します。しかし、あまりに周辺の相場とかけ離れた金額ではいつまでも売れない可能性があります。
そこで、査定価格を参考にしながら、この金額で売れればと希望する価格が希望売却価格です。この価格がインターネットや新聞の折込チラシなどに表示されます。
注意が必要なのは、決してこの価格で実際にマンションの売買が決定しているわけではないことです。実際の売買価格である実取引価格は、通常希望小売価格から値引きされて決まります。そのため参考にできますが、この価格で売れると考えると資金計画が狂う可能性があります。
不動産会社の買取価格
マンションの売却方法には、仲介による方法と買取による方法の2つがあります。買取による方法とは、マンション購入希望者を探して販売するのではなく、不動産会社にマンションを買取ってもらう方法で、このときの価格が買取価格です。この方法は、購入希望者を探す必要がないのですぐに売却できるのがメリットです。
一方、デメリットは仲介による売却よりも売却価格が大幅に下がることです。買取による方法は、マンションを売却して得られる資金の必要時期が決まっているときに主に利用されます。
仲介による方法では売却できる時期が確定できないので、必要時期までに売却できないリスクが生じますが、買取はこのリスクを回避できます。
実取引価格(成約価格)
実取引価格とは、マンションの購入希望者と売買が成立したときの価格です。成約価格や契約価格とも呼ばれます。インターネットや新聞の折込チラシなどの情報からは、実取引価格を知ることはできません。
実取引価格の調べ方
実取引価格は、以下のサイトから地域を選ぶことで売却するマンションの近くの実取引価格を調べられます。なお、信頼できる不動産会社であれば、参考資料として周辺の実取引価格を以下のサイトから調べてデータで教えてくれます。
- レインズ・マーケット・インフォメーション
(成約価格を基にした不動産取引情報サイト) - 土地総合情報システム
「レインズ」と「土地総合情報システム」は、国土交通省の委託を受けて開発されたシステムによる情報が掲載されています。
実取引価格の活用方法
実取引価格を知ることで不動産会社の査定価格の妥当性を検証できます。査定価格を基準にして希望売却価格を決めることから、査定価格が低すぎると高く売りそこねるかもしれません。逆に、高額だとなかなか売却できず値下げを繰り返すことで売却までに時間がかかりすぎます。
実取引価格から査定価格の妥当性がわかるので、適切な希望売却価格を決められます。
実は、信頼できる不動産会社は以下にあげるようなさまざまな項目を調べて査定価格を算出しますが、そのなかに実取引価格も含まれています。
- 売却するマンションの立地条件
- 築年数
- マンションの向き(北向きか南向きかなど)
- 設備などのグレード
- 日当たりや風通し
- 周辺の住環境(教育、買い物、交通などの利便性)
- マンションの管理状態
- リフォームの有無や内容
- 周辺マンションの実取引価格など
そのためマンション売却希望者が実取引価格を知る必要性はありませんが、査定価格が売却できるだろうと考えていた価格と大きく異なっていた場合、実取引価格を知ることで査定価格の妥当性を確認できます。
また、不動産会社によっては意図的に高額な査定価格を提示して、仲介販売の権利を得ようとする会社があります。マンション売却希望者は、高く査定してくれるとその価格で売れるのではと期待して、その不動産会社に仲介を依頼したくなります。
しかし、実際に依頼しても周辺の相場の価格よりも高い価格では売却が困難なため、不動産会社からすぐに値下げをしないと売却が困難であるとして希望売却価格を下げさせられます。この場合、売却できたとしても売却までの期間が長引くデメリットが生じます。
売却するマンションと似たようなマンションの実取引価格を知ることで査定価格の妥当性を確認できます。
意図的に査定価格を実際よりも大幅に高く査定する不動産会社は、一般的に販売力もないことが多いので避けることを強くおすすめします。
まとめ
マンションを売却するに最も重要な実取引価格とはどのような価格なのか、中古マンションの実取引価格以外にもある3つの価格の意味、実取引価格の利用方法、および実取引価格を知る方法について紹介しました。
高価なマンションを上手に高値で売るには、実取引価格は重要な役割を果たします。本記事の内容を参考にできるだけ高値でマンション売却を実現してください。
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