スポ少の怖い世界
〜子供がスポ少を始める前に親が知るべきこと


スポーツ大好き、白金ちなです。
娘がバスケットボールを始めて2年になります。小学生のバスケだからミニバスです。背が高いからしきりにお友達に誘われて、体験に行ったら興味を持ったのがきっかけでした。

私も話を聞いてみたところ、とにかく費用が安いし、小学校の体育館でやっているので送迎がいらないことに魅かれて、軽い気持ちで始めたのでした。

子供はどんどん上手になるし、チームメイトと楽しそうにしているのを見るとやらせて良かったと思います。でも、正直、親がこんなに大変だとは知らなかった・・・!

月に1回くらいのお茶当番くらいなら聞いていたのですが、学年が上がると当番以外の仕事も増えてくるため、今では週1回以上体育館に行っています。スポ少は競技やチームのスタイルによって保護者の大変さは違うものの、少なくともクラブチームや習い事のスポーツよりは保護者の出番が多いことは知っておくとよいでしょう。

スポ少は普通の習い事とは違う

まずスポ少とは何かをおさらいしておきましょう。スポ少とは学校のクラブ活動とは別に地域の住民による子供のスポーツ活動を支援する団体です。複数の学校から子供たちが集まっていること、運営は主に保護者が行うこと、スポーツ以外にも地域行事に参加するなどの特徴があります。

保護者目線から見ると、スポ少のメリット・デメリットは次のようになります。

メリット

  • 部費が安い
  • 子供のスポーツに積極的に関われる
  • ママ友・パパ友との絆が深まる

デメリット

  • 手伝いが大変
  • 保護者同士の付き合いが大変
  • プロによる専門的な指導ではない

自身もスポーツをやっていた親なら、子供のスポーツはただ預けるだけじゃなくて自主練習に付き合ったりするのが楽しみだったりするものです。また、保護者同士で話し合いや打ち合わせをすることをいとわない人なら、こういう取り組みはサークル活動のように楽しく感じられると思います。

しかし、スポ少の性質を理解せずに「月謝の安い習い事」感覚で入部してしまうと、後で大変なことになるので注意しましょう。

たしかに部費は安いけど、部費以外にけっこうかかる

子供に人気のスイミングや体操教室は、1か月のお月謝が6,000円~7,000円くらいが相場です。一方、スポ少の場合はひと月分の部費が1,000円~3,000円程度となっています。うちのミニバスも月1,000円です。

子供の習い事が月1,000円で済んだら家計は助かりますよね~。でもキッチリ1,000円で済むかというとそうではないことがよくあります。部費以外にかかる費用には以下のようなものがあります。

  • ユニフォームや用具代
  • 施設使用料(体育館やコートなど)
  • スポーツ傷害保険
  • 選手登録料
  • 遠征費・合宿代
  • ガソリン代・送迎費

どのくらいかかるかはチームの方針次第ですね。強豪チームともなると対外試合や遠征合宿で費用がかさむようになります。うちは夏期に入って試合や遠征が増えてきたので、先月は部費以外に1万円ほどかかっていました。でも、試合があまりないチームもあります。

普通の習い事の月謝は週1回(しかもたいてい1時間)の料金ですが、スポ少なら週3~4回練習、数時間から半日、土日なら1日中ということもあります。部費以外の費用を含めたとしても、1回あたりの料金はやっぱりお得だなと感じます。

週1回、1時間だけの習い事だけだと運動不足になると考えていたので、週4日もあるスポ少はありがたいです!

そのぶん手伝いが大変そうだけどねー



保護者の協力はどのくらい求められるのか

スポ少の活動は保護者や地域の人のボランティアで成り立っているため、子供を預ける保護者の協力がないと成り立たない性質があります。チームによって異なりますが、保護者の仕事には次のようなものが挙げられます。

  • 練習の付き添い当番(お茶当番)
  • 指導者のドリンクやお弁当の手配
  • 子供のケガや急病の応急処置
  • スケジュールや予定の連絡
  • 部員の出欠管理
  • 使用施設や合宿所の予約
  • 試合や遠征の車出し・配車
  • 試合の付き添い(丸一日になることも)
  • 部費・会計・ガソリン代の管理
  • 部の備品の管理、修繕
  • スポーツ傷害保険の入会・申請
  • ビデオ撮影・写真係
  • 地域行事への参加準備・運営

並べてみるといっぱいありますねー。

すべてのスポ少にこのような係があるとは限らないし、ここにはない役割分担もあるかもしれません。仕事量は「チームの方針」・「部員の数」・「動ける保護者の数」などによって決まります。

仕事は子供の学年が上がるほどに増えるのが普通です。特に6年生では何らかの役員に就くことになります。同じ学年にたくさん保護者がいれば1人当たりの仕事は少なくて済みますが、人数が少なかったり積極的な人がいなかったりすると、負荷が集中することも。

役員決めは毎年2月頃におこなわれることが通例なので、それ以前には熾烈なポジション取りが展開されます・・・。

お茶当番って必要?指導者へのお礼のあり方

スポ少の指導者は保護者もしくはOB、地域の父兄であることが多く、プロとしての専門的な指導は期待できませんが、その代り指導料は発生しません。完全にボランティアです。

しかしそれだとさすがに申し訳ないということで、練習中の指導者のドリンク、お昼をまたぐ場合のお弁当は運営側が持つというスタイルが定着しています。それが「お茶当番」です。私は最初そんな当番があると聞いた時は…

ハァ?飲み物くらい自分で持ってきなよ!接待みたいで気持ち悪いよ!

と思ったものです。しかし今では、

何時間も練習をタダでみてもらってるんだから、このくらい当然かな…

と考え方が変わってきました。素人とはいえ、同じ時間をクラブチームとかでみてもらったとしたらとんでもない金額になります。せめてお茶くらい、は自然な流れなのかなと。コミュニケーションのきっかけにもなりますし。

ただ、強制であるために保護者の負担感が強く、働く母親の増加から「お茶当番があるならスポ少やらない」との声も多いといいます。横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智選手がそのあたりに苦言を呈した会見を開いたことは話題となりました。

お茶当番がないことを売りにするスポ少も増えてきているようです。

保護者間の「温度差」は永遠のテーマ

スポ少において、「勝つために一生懸命やらせたい親」と「ちょっと運動になればいいかなくらいの親」との間の温度差は永遠のテーマです。どちらが正しいというわけではないのに、すり合わせが難しいこの問題は、さまざまなトラブルの原因となります。

たとえばもっとやらせたい派の親がコーチにもっと練習を増やすよう要望し、その結果練習時間が増えると、今度はゆるく楽しく派の親から練習がキツ過ぎると苦情をいってくる、といった具合です。

子供も親も無理のない範囲でOKという雰囲気があればいいですが、たいていの物事は声の大きい方に流されます。子供の運動不足解消くらいに考えていた保護者が他の保護者から…

  1. 「練習の後も自主練をするのが常識」
  2. 「次に車を買う時はミニバンにして」
  3. 「お当番じゃない時も練習は見に来るでしょ」
  4. 「お宅の子が未熟だから試合に負けた」

などといわれるようになったら居づらくなるでしょう。ただ、チームメイトやその保護者や同じ地域の人々ということもあって、今後のことを考えるとそう簡単に辞めるわけにはいきません。

アツい親が一方的に悪いわけでもありません。子供にはしっかり努力して結果を残す経験をさせたいと考えるのはすばらしいことで、集団競技であれば結果を出すにはチームメイトのレベルも不可欠です。

問題視されている指導者の暴力・暴言

子供がミニバスを始めて、「え?コーチってそんなに怒鳴る?」と驚いた記憶があります。うちのチームだけじゃなく、というかうちはかなりマシなほうで、よそのチームにはヤカラみたいな風貌の指導者が小学生相手にバカだのアホだの暴言を浴びせていることも。

部活やスポ少など子供のスポーツでは、指導者によるパワハラが問題視されています。ユニセフが『子どもの権利とスポーツの原則』を発表したことによりさらに注目されるようになりました。

確認しますが、スポ少の指導者は保護者やOBまたは地域のボランティアで、言ってしまえば素人さんです。スポーツを子供に指導する特別な資格があるわけではなく、単に経験者だから、単に平日時間が取れるからという理由でコーチになることも少なくありません。

仕事を持つ人も多く殊勝なことだとは思いますが、普通のお父さんが「スポーツを教える」立場になっただけで他人の子供を罵倒するのがアリとされている風潮ってヘンだなぁと思うのです。このことについては武井壮さんのツイートが話題になりましたね。


時代の流れで乱暴な指導方法はなくなっていくと信じたいですね。



どうせなら楽しくやるためのコツ

スポ少といえば大変さばかりが強調されるのですが(実際大変なんですけど)、私は運や相性が良かったおかげかけっこう楽しんでやっています。お手伝いは大変ですが一緒に苦労した保護者同士は単なるママ友とは違う仲間意識が芽生えます。勝った時はうれしくてみんなでハイタッチしたりしますしね。

何年かやってみて、こうやれば比較的うまくいくのではないかと思うことをいくつか挙げてみます。

原則として指導者に文句を言わない

これは基本中の基本といえます。中には経験不足のコーチもいるでしょうが、おまかせする以上は口を出さないのが保護者に求められる姿勢です。勝ちをどこまで優先するのか、レギュラーやキャプテンを選ぶ基準、試合時のベンチワークなど、たとえ自分の考えと違っていても、詰め寄って苦情をいったりするのは控えましょう。

「原則として」としたのは、子供の健康に直結する問題行為、金銭面の不適切な処理といった重大事項については話が別だからです。このような場合はまずは他の保護者や代表者、所属する地域団体や日本スポーツ協会などに相談するのが良いでしょう。

妙なローカルルールでもひとまず様子を見る

入った直後は理解不能なルールやしきたりに憤慨しっぱなしでしたが、話を聞くうちにだんだんその理由が分かるようになってきました。先ほどのお茶当番しかり。

おそろいのポロシャツもキモイと思っていましたが、大会などでは誰がどこの保護者か分かる方が便利なのですね。非効率で明文化されていない運用作業も、その年によって必要な要件が変わるためにマニュアル化が難しいことが分かりました。

おかしいなと思っても、しばらくは様子を見てなぜそのルールがあるのかを考えてから動くのが良いと思います。

自分の子だけでなく他の子も応援する

我が子ばかり応援して面倒を見たくなるのが人情ですが、チームで行動している時は他の子も平等に扱うのが保護者同士関係においてもチームにおいてもうまくいくコツです。

お世話をしてあげているうちに他の子の成長もだんだん嬉しく感じるようになり、練習や試合に行くのが楽しくなります。中には自分の子供にしか関心がなかったり、お世話してあげてもお礼がない親もいますが、それでもやる意義は私はあると思います。

情報収集は念入りに、でも慎重になりすぎず

スポ少は自前のホームページを持っていないことも多く、チラシにはほとんど情報はありませんから、情報収取はもっぱら経験者・内部者からの聞き取りになります。1人の人の意見だと入ってから全然違うということもありますから(経験談)、できれば性別・学年別に複数の人から話を聞くのがベストです。

いい話ばかりでなく欠点なども仕入れておきたいですが、チームとしての問題である場合とその人のただの愚痴の場合があり、鵜呑みにするのは危険です。

結局は入ってみないと分からないと割り切ることも大事なのかもね。


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