定年後に住みやすい街をチェックする方法
〜高齢者に優しい街ランキング

「定年後は田舎に移住して土いじりでもしながら悠々自適」は昔の話なのでしょうか。

現役時代は通勤や通学のことを考えて住む場所を選ぶことが多いと思います。しかし引退後は職場や子供のことに縛られず、好きなところに住み替えることが可能です。

人生の楽園』(テレビ朝日)では、UターンまたはIターンで田舎に移住して趣味と仕事を兼ねたような商売を始めて地元の人と溶け込んで…みたいな話が毎週出てきます。みんな、そういう老後を夢見ているのでしょうか。

しかしいろんな媒体がおこなった「定年後に住みたい街」アンケートでは、予想に反して老後は都会で暮らしたい人が多いようです。なぜそうなったのか、理由を探ってみました。そこからリタイア後の住み替え先に適した街をチェックする方法を考えたので読んでみてください。

不動産・住宅情報サイトによる「定年後に住みたい街ランキング」

株式会社LIFULLがおこなったインターネット調査では、首都圏・近畿圏・中部圏に住む人を対象に「定年後に住みたい街」をアンケート調査しています。各地域別に1位から5位までまとめてあるので見てみましょう。

定年後に住みたい街(駅)

順位首都圏近畿圏中部圏
1位鎌倉(神奈川県)京都(京都府)名古屋(愛知県)
2位横浜(神奈川県)芦屋(兵庫県)岐阜 (岐阜県)
3位吉祥寺(東京都)西宮北口(兵庫県)長久手古戦場(愛知県)
4位八王子(東京都)箕面(大阪府)藤が丘(愛知県)
5位三鷹(東京都)高槻(大阪府)星ヶ丘(愛知県)

参考・LIFULL「老後は郊外と都会どちらが良い?定年後に住みたい街ランキング

フツーに人気エリア、人気観光スポットだね!

定年後じゃなくても住みたい街で有名なとこばっかりね!

上位にランクインした街は、交通の利便性が高く景観の良い住宅街です。都会の真ん中はゴチャゴチャしてて嫌だけど、田舎は不便だからもっと嫌ということで、そこそこ都会に近い郊外で、緑や自然が多く、買い物やレジャー、医療施設へのアクセスに優れたところが人気のようです。これって今住みたいところと条件は同じですよね。

いま住みやすい街はリタイア後も住みやすい

定年後は風光明媚な地方や海外に人気が集まると思っていたので意外でした。実際に住んでみて不便だったなどの理由なら分かりますが、現役世代に老後どこに住みたいかと聞いているので、あこがれの段階で沖縄やハワイは住む場所としては除外されているということです。

1つのアンケートだけだと信ぴょう性がないので、ちょっと古いデータですがプレジデント社が首都圏・関西圏の不動産関係者におこなったアンケート調査も見てみましょう。

老後住みやすいと思う町ベスト10

順位首都圏関西圏
1位東京都世田谷区大阪府大阪市
2位神奈川県横浜市兵庫県神戸市
3位東京都目黒区兵庫県西宮市
4位東京都港区兵庫県芦屋市
5位東京都杉並区大阪府吹田市

別の調査でも、老後は大都会か高級住宅街のどちらかに住みたいって結果なんだね。

こちらも、商業施設や医療機関が豊富な主要都市か、利便性の高い郊外の閑静な住宅街がランクインしています。定年後にどこに住みたいかといったアンケートでは、現役時代で人気のあるエリアがリタイア後でも人気であることが分かります。

地方の名前が出てくるのは、「住みたい田舎ランキング」といった対象を田舎に絞った調査くらいです。

「シニアに優しい街」が満たすべき要件

人気があることだけで「住みやすい街」の条件を満たしていると考えるのは早計ですよね。老後に住むということは、どうしても健康問題を考えないわけにはいきません。

風光明媚な土地でシニアライフを楽しもうと移住した人が結局元に住んでいた場所に戻ってくることが多いのは、医療体制や自治体の支援に不満を感じたからだといいます。

「日経グローカル」がまとめた自治体への介護・高齢化対応調査では、「シニアに優しい街」が満たすべき要件として大きく4つの項目を挙げています。

  1. 医療・介護
    高齢者1000人あたりの特別養護老人ホームの定員数、介護職員・ケアマネージャーの人数など
  2. 生活支援・予防
    介護の予防事業、成年後見制度、買い物弱者対策など
  3. 社会参加
    学習活動やボランティアへの参加、就労をしている高齢者の割合など
  4. 認知症対策
    認知症コーディネーターの有無、認知症の人とその家族を支える「認知症カフェ」の有無など

高齢になると、今までは無縁だと思っていた福祉サービスを受ける側になります。そのため、住んでいる市区町村の行政サービスはこれまで以上にチェックする必要があります。

子育てされた方なら実感のあることでしょう。特にいざという時のまれなケースへの対応より、日常生活に直結するようなサービスが重要かと思います。社会参加や買い物弱者対策とかね。

たくさんの高齢者が勉強や仕事に打ち込める地域は良い街な気がするね!

自治体のサービス度からみた「シニアに優しい街ランキング」

先ほどの「介護・高齢化対応調査」では、市区町村別に調査結果に点数をつけ、ランキング化されています。高齢者向けの行政サービスが充実していると評価された自治体は次のようになります。

高齢者向けの行政サービスが充実している街ランキング

順位自治体
1位東京都板橋区 (認知症対策で1位)
2位栃木県小山市(社会参加で1位)
3位東京都新宿区 (医療・介護で2位)
4位東京都荒川区 (生活支援で2位)
5位石川県能美市 (医療・介護で1位)
参考・日経グローカル「シニアにやさしい街 総合ランキング

高齢者福祉に関しても都内の自治体が上位にランクインしているね。

高齢者向け福祉を充実させられる財政力があるからか、都会の自治体の点数が高くなっています。新宿でシニアライフってちょっと意外ですね。

1位の板橋区は認知症対策がすすんでいて、

などの対策が行われています。

なんかちょっと生々しいですが。高齢者に住みよいというよりは、認知症を持つ家族からの要望が大きかったんでしょうね。


2位の栃木県小山市では、老人クラブやサークル活動、「シルバー大学校」など高齢者が積極的に社会参加できる仕組みが整っています。ただこういうのに抵抗感がある人はありがたくないかもしれませんね。うまく馴染める人ならいいですが、先に入っている人が威張っている場所だといいますし(笑)

高齢者向け行政サービスが行き届いているのは重要なポイントですが、すでに仕事が確保できている人にはシルバー人材センターは必要ありません。また、いくら病院や介護施設の数が豊富でも、実際に住んでいる場所から遠かったら意味がありません。

福祉サービスの評価が高い市区町村でも、自身にとって必要かどうかひとつひとつ確認する必要がありそうです。

ランキング上位に入る街に移住するために必要なのはやっぱりアレ!

住み心地が良く、行政サービスも行き届いている理想的な街が見つかったとしても、簡単に住み替えができるわけではありません。住居を変えるわけですから、先立つものが必要です。

住み替えをする人は、今の持ち家を売却して得た資金を元手に新しい不動産を購入するケースが多くなっています。持ち家がいくらで売れるかによって、次に住む家のグレードが決まるといっていいでしょう。

<収入>

  • 持ち家の売却益(戸建ての場合は土地代)

<支出>

  • 住宅購入価格
  • 家の解体費用(戸建ての場合)
  • 引越し費用

たとえば保有している家が築30年の戸建てだとすると、上物(建物)には値段はつきませんから土地の売却額が収入になります。仮に売却額が3000万円で新たに購入するマンションが4000万円だとすると、解体費用や引越し代などを差し引くと1500万円近い持ち出しになります。

定年後に住みたい街が都心や人気の住宅街であることを考えると、新たに購入する住宅はお値段高めが予想できます。今住んでいる家の立地が相当良いか、評価の下がりにくい都心のタワーマンションなどでない限り、売却益だけで費用を賄うのは難しいでしょう。

ましてや、住宅ローンが残っている場合や、賃貸派で持ち家がない場合は、別途資金作りを考える必要があります。要するに、理想の街に移り住むためには、何といってもお金が大事であるということです。

私が考える定年後に住みたい街とは


ここで私なりに考えた「定年後に住みたい街」についてです。

ちょっと前までは沖縄や海外移住もいいのではないかと考えていました。変化や刺激のある生活が好きだし、新しい環境になじむのも早いので、知らない土地に行くことに期待はあっても不安は感じません。

しかし、人生も中盤にさしかかって、根っこの無い生活はしんどいかも知れないと思うようになりました。根っことは、親しく付き合える親戚や知人、生活の糧を得る基盤、やりがいを持って取り組める活動がそこにあるかどうかです。

特に人脈は重要だと思います。今なら新しい友達もすぐに作れますが、まったく馴染みがない土地で、年を取ってから移住してコミュニティをイチから形成するのは大変です。自治体が他地域からの移住に積極的でも、地元の住民が快く思っていないこともよくあるといいますし。

定年を過ぎていても働ける環境があればいうことありません。できれば移住してから探すのではなく、仕事のあてがついてから引越すのが望ましいです。働かなくてもやっていけそうなら、生活の軸となる活動を見つけることも重要ですね。「行ってみてから考える」は危険です。

これらのことを考えると、今の住まいの近くは検討に値するかもしれません。知り合いもいて、土地勘がある中で、新しい環境で生活を始めることができます。今の街が住みやすいなら、けっこう良い案なのではないでしょうか。

定年後に住みやすい街かチェックする方法

最後に、今検討している場所が定年後に住みやすい街なのかチェックする方法をまとめました。

  • 「観光」ではなく「居住」することに適しているか
  • 高齢者向けの福祉サービスが充実しているか
  • 資金計画に無理がないか
  • 頼れる親戚や知人が住んでいるか
  • 公共交通機関や移動方法は確保できるか
  • 医療施設や介護施設は「数」よりも「近さ」

しっかり生活をシミュレーションしてみることが大切ね!

セカンドライフを新しい土地で…と考えると夢が広がりますが、具体的に検討していくとリアルな問題にぶち当たって夢しぼみます。お金の問題とか、健康の問題とか。沖縄に移住してダイビング三昧とか考えていた頃が懐かしいです。

それでも、私もいつかは考えなくてはいけなくなります。皆さんはもうリタイヤ後の住まいについて考えてらっしゃいますか?ちょっと早いけど、定年後に住みたい街について考えてみました。


〜白金ちな〜

3児を育てるFP母。キラキラ派でも自然派でもない快適な暮らしを模索中。料理は美味しく作るより美味しそうに食べるほうが得意。自分の意見はしっかりしているけど争いごとは嫌い。手触りのいいものが好き、羊とか。面食いじゃなくて麺食い。


〜ラムチョップ〜

ちなにしか姿が見えない賢い羊。ちなの疑問や不満に豊富な知識で答えてくれる。体は子羊、頭脳はAI。時々暴走するちなの抑え役だが、いちばんの理解者でもある。眠れない人の目の前で何度も柵を往復して100回以内に寝かせるのが得意。1歳違いの兄の名前はマトン。