日本に住む外国人に必要なのはマナーではなく情報ではないだろうか

うちの近所にある外国人が多く住むアパートが大変なことになっています。ゴミが散乱しているのです。生ゴミを指定のボックスに入れないため、猫やカラスが散らかして、さらに通りすがりの車が踏みつぶして周囲の道路にまで広がっています。

おまけに洗濯物を所かまわず干すので、風で飛んだり、下着が道沿いに陳列されたりしています。あまりにも衛生面や景観面に問題があるので、周囲の自治体の方が眉をひそめていました。

しかし、ある日突然解消しました。今ではゴミも洗濯物も散乱していません。解決策は意外にも単純なもの。外国人とのご近所トラブルは、外国人のマナーの問題だけではなく、日本人のコミュニケーションのあり方にも問題があるのではないかと感じた出来事でした。

外国人の住むところに「ゴミ出し問題」

日本で生活する外国人の数は、2018年末で273万人ほど。法務省によると、2006年から2016年の20年間で在留外国人は100万人以上増えているのだそうです。

それだけ人間がいれば何かいざこざが起こるもの。外国人居住に伴うトラブルの代表例は「ゴミ出し問題」と「騒音問題」です。

正直、私はゴミ出しがそんなに問題だとは思っていませんでした。ああいうのは口うるさい近所のおばちゃんや説教好きのおじさんが文句言っているだけで、大した問題ではないのかと。でも実際に目の当たりにして考えが変わりました。ゴミ出しなってないと周辺環境ヤバイ。

猫やカラスが食い荒らし、集積所からマンション敷地、前面道路にまで散乱したゴミは、通行する車につぶされさらに遠くまで飛ばされ、転がるものは通学中の小学生が蹴飛ばして隣丁目まで運ばれます。

味を占めた猫やカラスは日に日に数を増やし、周囲の糞害にまで広がります。分別して指定日に出さないこともあり、布団や段ボールが雨ざらしになり、常に変な汁がしたたっていたり。そうなると外国人が住んでいるマンションだけの問題ではなくなります。

最近やたらとウチの車に鳥のフンがついていると思ったら、ゴミに群がるカラスが増えたせいだったのね!

あたたかくなるとニオイもひどいし、見た目だけでも不快だよねー

増えているのは「留学生」と「技能実習生」

そのアパートに住むのは近くの大学に通う外国人留学生たちです。留学生限定の寮というわけではなさそうですが、なぜか留学生ばかりが集まって住まれています。もしかしたら中には日本人学生や職員の方もいるかも知れませんが。

在留外国人の中でも、留学生は増える傾向にあるようです。少子化で学生が集まらないため学校側が外国人学生を多く受け入れるようになった影響でしょうか。比率としては永住者の次くらいです。



永住者とは、10年以上日本に在留していて、専門的・技術的分野で永住が日本の利益になると認められた人を指します。数で一番多いのは永住者ですが、今後ますます増えていくと予想されているのが技能実習で来日する人の数です。

特定の技能を習得するための外国人に一定期間の在留を認める制度ですが、技能実習についてはあまりいいうわさを聞きませんね。過酷な労働環境や失踪が問題になったりしています。

国籍は圧倒的にアジア人が多い

外国人居住者にはどこの国から来ている人が多いのでしょうか?答えはダントツで中国、次いで韓国、ベトナムが意外と多くて、フィリピンは昔から多いイメージ、ブラジルと続きます。見た目だけだと分かりませんが、確かに近所のアパートもアジア系の人が多いイメージ。



ベトナム人が増えた理由は、先ほど述べた技能実習制度が大きいようです。2017年から2018年にかけては26.1%も急増しています。

中小企業の労働力として期待されているようですね。なお、在日コリアンなどの特別永住者は、少子化の影響と日本国籍取得により年々減少しています。

街でヒジャブとかのイスラムの服装をした人も珍しくなくなったよ。いろんな文化が見られることは私は楽しいけどな。

日本に住む外国人は都市部に集中している

近所によく外国人を見かけるようになった人もいれば、いや以前と変わらないと感じる人もいるでしょう。外国人居住者は主にどこに住んでいるのでしょうか?



ダントツで多いのが東京都、次いで愛知・大阪・神奈川です。外国人人口はいわゆる大都市に集中しています。東京には多くの企業の本社や教育機関があるため、高度人材や留学生が集まるのでしょう。

愛知県には自動車工場を中心とする製造業の向上が多数存在しているので、そこではたらく外国人労働者の人口が多くなっています。大阪に多いのは韓国・朝鮮人およびその家族です。大阪はフリーWi-Fiや多言語対応に力を入れていることで知られています。

人が多いところには摩擦は起こりやすいし、生活トラブルもそのためだね。

遠ければ気にならないことも、近ければイヤなこともあるよね。

自治体の古株たち、外国人に憤る

私が住んでいるところは都市部郊外の住宅街で、ここに長年住んでいる人が多い低層住宅地です。自治会がしっかりしているので治安が良く、地域行事が多いのが魅力ですが、新参者にはやや警戒心が強いように感じられます。

そんな中、外国人が急に増えたアパートでゴミ問題が発生したものですから、古株たちから声が上がらないはずがありません。批判することは悪いことではありませんし、私も多少迷惑していましたから、ぜひ解決する方向に持って行っていただきたいですが、問題は言い方。

  • 「だからガイジンは」
  • 「やっぱり中国人は」
  • 「マナーがなってない」
  • 「言葉も通じない」
  • 「常識がない」

下手したらヘイトスピーチと受け取られかねない発言続出です。それはちょっと違うんじゃないのと思いました。その外国人留学生の人達とはよくすれ違いますが(駐車場がその近くだから)、挨拶もしてくれるし子供にも優しいです。

車が通る時に邪魔になりそうな自転車をどけてくれたりしました。けっこう偏差値の高い大学の学生さんだし、みんな知的に見えます。ただ常識が違うだけで。

あんまり一方的なので聞いてられなかった!ただの陰口だった!

自分たちのテリトリーを犯されているような気分になるのかな・・・

ゴミ問題が1日で解決、その方法とは

なかなか深刻そうに見えたゴミ問題や洗濯物問題ですが、ある日突然ぱったりなくなりました。集積所まわりはきれいにされているし、分別もしっかりしてあります。指定日以外の粗大ゴミも見当たりません。洗濯物も各部屋のベランダ以外には干してありません。何があったのでしょうか。

事情を知っている人に話を聞く機会があったので、どんな対策をしたのか尋ねてみました。とった対策は、たった2つ。

  1. ゴミ出しなど生活ルールの英語表記を貼り出した
  2. 管理会社が入居者向けの説明会を開いた

これだけです。

え!?こんな簡単なことで?1日で解決しちゃったの!?

各自治体では行政サービスの多言語化が進められていて、英語版のゴミ出しルールのパンフを提供しているところも多くあります(京都市の例)。近所のアパートでは掲示板と集積所に貼ってありました。留学生の方は母国語に加え英語と多少の日本語ができる人が多く、英語だけで大丈夫だったようです。

つまり、足りなかったのはマナーではなくて情報だったってこと?

ルールが明確なら守ってくれる人はけっこういるんだね!

足りないのはコミュニケーションだった

横浜市が在住外国人に生活面で困っていることを調査したところ、次のような結果が得られました。

在住外国人が日常生活で困っていること

  1. 日本語の不自由さ(24.7%)
  2. 仕事探し(16.7%)
  3. 病院・診察所に外国語のできる人がいない(14.4%)
  4. 税金(14.1%)
  5. 外国語の通じる病院・診察所の探し方(13.6%)
  6. 災害時・緊急時の対応(13%)
  7. 自分または家族の健康(11.2%)
  8. 病院・診察所を受信する時の通訳がみつからない(10.6%)
  9. 出産・育児、子供の教育(10%)
  10. 年金(9.6%)
  11. 行政の窓口で外国語が通じない(9.3%)
  12. 在留資格の手続き(8.2%)
  13. 住まい探し(8.2%)
  14. 母語の情報の少なさ(7.8%)
  15. 外国語の表示の少なさ(7.4%)
  16. 職場での仕事、人間関係(7.2%)
  17. 自分の意見の市役所・区役所への伝え方(7%)
  18. 近所でのつきあい(6.1%)
  19. ごみの出し方(5.5%)
  20. 警察の連絡先など犯罪に対する対応(4.2%)
  21. 無回答(3.4%)
  22. その他(3.1%)
  23. 介護・福祉サービスの利用(3%)
  24. 新型インフルエンザなどの感染症への対応(2.9%)
  25. 結婚・離婚(1.1%)
  26. DV(配偶者からの暴力)(0.6%)
参考・横浜市政策局「平成25年度 横浜市外国人意識調査

多くの分類がされていますが、要するに言葉の問題が多いようですね。国が違えば言葉に困るのは当たり前なことですが、日本の場合は細かいルールが多いのにちゃんと説明しようという姿勢が足りない気がします。あと、直接指摘して摩擦を起こしたくない気持ちや、外国語コンプレックスもあるのかもしれません。

  • 「教えてもらうな、見て学べ」
  • 「郷に入りては郷に従え」

ってよく聞く言葉ですよね。そこにコミュニケーションは存在しません。だからトラブルになった時、相手のマナーや常識のせいにしたりするんですね。彼らが逆の立場で同じことができるのか疑問ですが。

そのうち日本人も慣れてくる?

私は外国人が増えることでいいこともたくさんあると思います。まず、日本人でも息苦しいと感じている同調圧力薄まることが期待できます。「あ、この人たち俺らと一緒とか無理だわ」と感じる人とどうやってうまくやっていくか、知恵がついてくるはずです。多文化共生ってそういうことですよね。

課題山積とはいえ、行政の取り組みは徐々に進みつつあります。特に行政情報の多言語化、日本語の学習支援、多言語での災害情報、外国人向け生活相談に取り組む自治体は過半数を超えています。

企業にも外国人向けの情報提供サービスを行うところが出てきています。

一方で、日本人住民とのコミュニケーションはどうでしょうか。ゴミ出しひとつとっても分かるように、生活圏を共有するには住民同士の理解と対話が欠かせません。子供を学校に通わせるにも地域の取り組み参加が必要になります。

もちろん外国人本人がなじめるように努力することは大切ですが、コミュニケーションは双方向で成り立ちますから、こちらの姿勢も大事になってくるのではないでしょうか。

今度、外国から来た娘のお友達をウチで流しそうめんしようって誘ってるの。参観でお母さんにすごく感謝されちゃった。

ちな、
英語得意じゃないのに、頑張ったね!


〜白金ちな〜

3児を育てるFP母。キラキラ派でも自然派でもない快適な暮らしを模索中。料理は美味しく作るより美味しそうに食べるほうが得意。自分の意見はしっかりしているけど争いごとは嫌い。手触りのいいものが好き、羊とか。面食いじゃなくて麺食い。


〜ラムチョップ〜

ちなにしか姿が見えない賢い羊。ちなの疑問や不満に豊富な知識で答えてくれる。体は子羊、頭脳はAI。時々暴走するちなの抑え役だが、いちばんの理解者でもある。眠れない人の目の前で何度も柵を往復して100回以内に寝かせるのが得意。1歳違いの兄の名前はマトン。