日本は停電が増える可能性あり
〜家庭でできる停電対策を考えてみた

急に停電が起こると、どうしていいか分かりませんよね。でも、停電はいつも突然起こります。普段から備えや勉強をしておくと、少しは慌てずに済むでしょうか。

今回は、停電が起こる原因や生活への影響範囲、停電の発生回数や便利だと思われるグッズについて記事にしてみました。お役に立てると嬉しいです。

どんな時に停電になるのか?

停電が起こる原因は何でしょうか。家庭内のブレーカーが落ちると電気が止まりますが、あれは決められた範囲を超えて電気を使ったために起こるもので、停電ではありません。ブレーカーに異常がないのに電気が使えなくなるのが停電です。

停電が発生する原因について東京電力の解説には、さまざまな要因が挙げられています。要するに電線やケーブル、電柱や変圧器といった電気を送るための設備に何かあると停電するようです。

  • 停電の原因
  • 雷の影響
  • 大雪の影響
  • 風雨・台風の影響
  • 地震の影響
  • 鳥の営巣など
  • 車両衝突の影響
  • 重機による設備損傷など
  • 近隣火災の影響
  • 工場等の敷地内での設備トラブル

雷で停電するのは、電線とかに落ちたからなのね!

雪で電線が切れるシーン、
『動物のお医者さん』に出てきたなぁ。

上記以外にも、発電・配電設備の故障、東日本大震災時に行われたような計画停電などが原因で停電になることもあります。電気は電波とは違って物理的な「線」でつながっているので、その線や線の中の電気を制御する機械がダメになると停電が起きる、というわけです。

千葉の停電はなぜ起きたのか

今回の千葉の大規模停電は、強風によって鉄塔や電信柱が倒壊したために起こりました。また各地で倒木が道をふさぎ、事故現場になかなか到達できない、またはその倒木が電線を切断したりもたれかかったりして、復旧の妨げになっています。

「木なんてどければいいじゃないか」と素人の私は考えてしまったのですが、倒木処理は専門知識が必要な非常に難しい作業で、誰にでもできるものではないのだそうです。ベテラン作業員の数は少なく、大きい倒木ならクレーンなどの重機が必要になってきます。

自衛隊が出動すれば解決!
というわけにはいかないのね。

電柱をやめて地中化すればいいじゃないかという議論があるようですが、地中ケーブルも地震や工事中のミスなどで損傷することがあり、万全ではありません。それに費用の問題もあります。今のところは地道に点検・修理を続けて、何かあった時は現場で作業をする以外ないようです。

日本では停電が起きることが少ない

それにしても、電気を送る設備ってそこらじゅうにありますが、その割には停電って少ないと思いませんか?海外で働く友人などはしょっちゅう停電で困っていると聞きます。しかし、日本では1軒あたりの停電時間は1年間で22分ほどしかありません。

オーストラリアとカリフォルニアは多いねー。気候の問題だけでなく、自由化とか再エネとか、原因はいろいろみたい。

今後は停電が増えていく可能性がある

ただ、今後増えていく可能性が指摘されています。大災害の増加と、施設の老朽化の問題があるからです。環境省をはじめとする関係機関の調査で、日本は将来的に豪雨やそれに伴う土砂災害、強い台風の増加が懸念されています。



また、電力流通設備は高度経済成長期に需要の増加に合わせて建設されたものが多く、できてから30年以上たつものが少なくありません。老朽化が進めば停電の原因となる破損が発生しやすくなることが想像できますよね。修理をするための人員も人手不足でどこまで確保できるか。

これらの理由から、日本は今後発展途上国のように停電が頻発する国になる可能性もないとはいえません。

停電の影響はびっくりするほど広い

停電が起こったら、私たちの生活にどのように影響するのでしょうか。

すぐに思いつくのは照明ですね。特に夜の停電は不安なだけでなく危険です。次に冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機といった生活家電。エアコンが使えないのは気温が高い時期なら熱中症が心配です。それからテレビ・ラジオ・パソコンなどの情報源です。

携帯電話やスマートフォンも、電池がなくなれば使えません。電話線は独自の電力供給があるので通話だけなら可能ですが、最近の電話機は高性能化しているので電源がないとダメなことが多いようです。

水道とガスが通っているならお風呂に入れそうですが、エコキュートや電気温水器は基本的に使えません(貯水器にたまっている温水が使える機種もあるそうですが)。蛇口からお湯を出すことは可能ですが、自動お湯はりや浴室乾燥など電気制御を必要とするものはガス製品でも使えません。



マンション等の集合住宅では、エレベーターが使えなくなります。電動ポンプ式の水道設備を使っているところでは断水になることも。長時間の停電だと浄水施設や送水ポンプなどが稼働できず断水します。水道水が使えなくなり、水洗トイレも使えません。長期間の停電となれば下水道処理場の機能が停止して汚水問題が発生します。

街単位の大規模停電となると、交通マヒが起こります。電力がないと信号機が停止し、電車も動きません。バスは停電でも運行していることが多いですが、信号が止まっている場合ダイヤは相当乱れるようです。災害の時はタクシー乗り場にはいつも大行列ができますね。停電だと移動もままなりません。

夏はエアコンが使えないと熱中症が心配だし、冬は暖房やお風呂がないとツライ。数日ならともかく、数週間となると疲労ハンパないですね。

家庭でできる停電対策

電気は私達の生活に浸透していて、ないと不便なだけでなく、健康や生命に関わることもあります。患者の生命維持に支障を来たす恐れのある病院や、放送局、新聞社、官公庁などの施設では、独自に発電・蓄電施設を備えています。しかし、一般の家庭で発電設備を入れるのは大変です。

一時的な電源の確保は重要!

災害時の備えとして水や非常食といった話をよく聞きますが、日本に住んでいるとそれらの最低限の支援はすぐに届きます。しかし、どんな支援がどこで受けられるか、どんな被害があっていつごろ復旧するかといった情報源はとても重要になってきます。

今の時代はやっぱりスマートフォンですよね。しかしスマホは電池がすぐになくなる問題が。するとやっぱり一時的に電源を確保できるものが必要になってきますね。

すぐに思いつくのはモバイルバッテリーです。場所をとらず、種類も豊富で、それほど高くない値段で売られています。普段の外出でも使うことができるので、1つ常備しておいても良いでしょう。ただしいざという時に充電できていなくて使えないという話をよく聞くので、AC充電器一体型か、ソーラー充電機能が付いているものが良いでしょう。

私が便利だなと思ったのが「車のジャンプスターター」です。

車のバッテリー上がりの時に自分でジャンプスタートができる道具ですが、モバイル製品の充電や照明としても使えます。場所も取りませんし、車にいつも積んでおけば探す必要もありません。充電を忘れていても、エンジンをかけてシガーソケットから充電できます。

こないだバッテリーあげちゃったときに友人が貸してくれて便利だったよ!

ちな、また車のライトつけっぱなしだったんだ…。

キャンプ道具って災害の時に役に立ちそうですよね。ランタンは懐中電灯より明るくて使い勝手がいいし、ヘッドライトも手が自由になっていいです。大きめのクーラーボックスは冷蔵庫代わりに十分機能します。防寒具や寝袋などもあると安心です。キャンプグッズは機能性と収納性に優れていて、防災だけでなくレジャーでも役に立つので、実は防災専用のグッズよりも便利かもしれませんね!

度重なる災害で、EV(電気自動車)も注目されています。ポータブルとは比較にならない蓄電機能を兼ね備え、三菱自動車が「アウトランダーPHEV」なら「一般家庭の最大約10日分の電気量を供給」できるとしています。実際、EVを公用車として普段から利用し、災害の時は電源として役立てる取り組みも進んでいます。価格の問題がクリアできるのであれば、家庭に1台あると安心かもしれません。

忘れないように停電に備えるには

災害があるたびに、備えが必要といった話はよく聞きます。しかし喉元過ぎれば熱さを忘れると言いますか、いざという時にありかが分からなかったり、賞味期限が切れていたりします。すぼらな私は特にそう。

無理なく備えるには、「普段の生活でも使えて、災害時に転用できるもの」を常備しておくのが良いと思います。キャンプ用品なんてまさにそれですね。電源関連の確保も、災害時にだけ使うのではなく、普段から使うアテがありそうなものが良いでしょう。

それにしても、今回の千葉の停電で、東電だけがやたらと責められる風潮を見て違和感を覚えました。東電の社長が千葉知事に謝罪のため呼ばれましたが、千葉県だって対策本部設置が遅れたりしましたよね。

報道でも「想定が甘い」「作業が遅い」なんて言いたい放題ですが、そんなにみんな災害への備え完ぺきにしているのでしょうか。台風が来ただけで駅に立ち往生したりしているのに?

災害の時はいろいろ考えたり感じたりしてしまいますね。千葉の皆さんが早く通常の生活に戻れますように。

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  1. どんな時に停電になるのか?
  2. 千葉の停電はなぜ起きたのか
  3. 日本では停電が起きることが少ない
  4. 今後は停電が増えていく可能性がある
  5. 停電の影響はびっくりするほど広い
  6. 家庭でできる停電対策
  7. 忘れないように停電に備えるには
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