PTAはブラックボランティア!
共働き時代のPTA〜3つの驚愕エピソード

春といえば「桜」、「花粉症」、そして「PTA」の季節ですね。
新年度のPTA役員や委員を決定する季節がやってきました。

私は昨年度委員をやっているので次はないもんね~ウフフと思っていたら、クラスの人数が他の学年よりも少ないので、2周目がありそうとの噂が。1児童につき1回でいいって聞いていたのに、これは詐欺なんじゃないでしょうか…。

仕事よりキツイといわれることもあるPTAには、日常生活ではありえない戦慄の風景があります。私がPTAはおそろしいと感じたシーンは、「委員決め」「会長候補探し」「PTAの意義を語るスピーチ」です。

ちょっと異様な習慣が残るPTAは、離れて見れば笑えますが、中にいると笑えません。中にいても笑えるようになるには、PTAはどのように変わればよいのでしょうか。

いきなり軟禁!「委員が決定するまで帰れません」

私は、長女が小学校に入学してすぐの保護者懇談会のことが忘れられません。教室で担任の挨拶や保護者同士の自己紹介が終わって、全体的に和気あいあいとした雰囲気だったところに、PTA役員の方が入って来た瞬間に空気が一変したのです。

「それでは、次期PTAの委員決めの方を進めさせていただきます」

急に張りつめた空気、誰もしゃべらない教室、下を向く保護者。私は初めての小学校でママ友情報少なかったこともありキョトンとしていたのですが、しばらくして「これが例のやつか~!」って気付きました。いわゆる「委員決め」です。仕事内容と免除項目の説明の後、立候補と募ることとなりました。

「それでは、学級委員立候補の方」

シーン・・・。

「それでは、学級副委員立候補の方」

シーン・・・。

「それでは、広報委員立候補の方」

シーン・・・。

ひととおり募ってもだれも手を挙げません。息苦しくって酸欠感がすごい。それでも立候補が基本なので、何周かは立候補を待つようです。

「再度、立候補を募ります。なお、すべての委員が決定するまで退出はできません」

驚きました、いきなりの軟禁宣言!『帰れま10』って番組あったなって思い出した。

3周ほどしたら主要な委員は決まりましたが、それでも決まらない委員が1つあったため、くじ引きとなりました。すでにくじが用意されているのがすごい。ひとりひとりくじを引いていきます。まるでロシアンルーレットです。


運悪くアタリ(ある意味ハズレ)を引いちゃった人が、おそるおそる発言します。

「あの…私いま体を壊していまして…手術したばかりで…委員の仕事はちょっと…」

と、免除を申し出ました。


すると役員の人がみんなの前でこんな質問を投げかけます。

「それはどのようなご病気ですか?」
「自宅から出られないということでしょうか?」
「代わってもらえるご家族はいらっしゃらないですか?」
「月に1回程度学校に来るだけですが?」

みんなの前でこんな質問に答えなきゃいけない公開処刑。かわいそう、病状なんてプライバシーもいいとこなのに。しかも、こんな解決策が出されます。

「それでは、○○さんが免除になっても良いとお考えの方は、拍手をお願いします」

拍手?拍手で決めるの!?

みんな勝手が分からずまばらな拍手。不安げな○○さん。なんて残酷なシステムで決めるんでしょうか。もうウンウンうなずきながら激しく拍手しましたよ私!○○さん免除になって良かった。

こんな感じでなんとか委員全員が決定。私はこの学年ではまぬがれましたが、PTAの洗礼は十分に浴びた年でした。

酸欠の教室に軟禁されてロシアンルーレットやらされたあげく公開処刑!

それが春の風物詩『PTA委員決め』よ!

PTAおそろしいところだな…

羊の世界にはない話だ…

PTA会長が決まらない!暗躍する「次期役員ハンター」

さて、これは年明け1月から3月にかけて活発になる「次期役員決め」の話です。役員とは委員よりも上位の会長・副会長・書記・会計といった重役です。4月からの新年度スタートに向けて、あらかじめ候補者を決定しておく必要があるのですが、最近ではギリギリまで役員が決まっていまいところが増えてきています。

子供が通う学校では、ここ3年ほど次期PTA会長がなかなか決まらない状況が続いています。そこで動きが活発になるのが選考委員というPTA執行部隊です。PTA委員の中で一番業務内容が謎の委員ですが、やることは「次期役員探し」です。「指名委員」という名前の学校もあるようです。

具体的には、とにかく電話をかけまくります。私のところにもバンバンかかってきました。

「プルルルル、もしもし~ワタクシ○○小学校PTA選考委員の斎藤(仮)と申しますが~」

「はい」 ←警戒心MAX

「次期PTA会長候補に白金ちなさんのお名前が挙がっておりまして~、ぜひ立候補していただけないかと思いましてお電話させていただきました~」

「お断りします」 ←0.5秒

「えっ、あっ、でもPTA会長を一度やると下のお子さんも含めて委員永久免除となっておりまして~」
「最近ではマニュアル完備となっておりますので、いわれているほど難しいものではなく~」
「校長先生や自治会の方とも仲良くなって、メリットも多いかと思いますぅ~」

矢継ぎ早に繰り出される勧誘文句から、相当な回数をこなしていることが伺えます。選考委員1人30人はノルマという話も聞いたことがあります。営業か。羽毛布団売りつけられるかと思いました。このような電話が少なくとも3回はかかってきて、3月に受けた時は向こうもやや涙声でした。断ったけど。

しかし、やりますといってくれる人が出てきたとしても本部役員でふるいにかけられてやり直しになることも少なくないらしく、そうなるとまた勧誘電話をかけまくらなければなりません。

「プルルルル、もしもし~ワタクシ○○小学校PTA選考委員の斎藤(仮)と申しますが~」

「以前もお電話いただきました?」

「そうなんですぅ~、でもどうしてもまだ決まらなくて、白金さんいかがですか?」

「前回お断りしました」

「そこをなんとか~。このままでは対象会員全員でくじ引きってことも検討している状態なんです~」

(この確率で当たった人悲惨だな。。)


そもそも私なんかを推薦なんかしたのは誰だって話ですが、

  1. 推薦状の提出があった
  2. 選考委員自身が推薦した
  3. 誰もいなかったので片っ端から電話した

のいずれかです。

おそらく(3)でしょうが、この推薦状提出制度も情報漏れたりするとなかなかのトラブルの種になりますよね。誰だ私に入れたの嫌がらせかよっていう…。

「なお、PTA役員の打診があったことはご内密にお願いいたしますぅ~」

そう、選考委員の業務は秘密なのです。PTAの隠密部隊といっていいでしょう。だから何もしていないと思われがちですが、実際はすごく大変そう。電話してもつながらない時は自宅まで行くこともあるし、セールスマンお断りみたいな態度を取られることもあるそうです。誰が候補になりそうといった情報は極秘ですから、秘密をキープするのもけっこうなストレスでしょう。

このあいだPTA会議室をのぞいてみたんだけど、10人くらいの選考委員がそれぞれひたすら電話をかけてた。

なんか、まるでオレオレ詐欺の事務所の風景みたいだね…

逆効果!PTA役員をやる意味を熱く語る経験者

PTA役員への希望者が年々減っていく問題をどうにかしようと、定期総会ではしばしば役員経験者の「PTAやって良かった!話」が披露されます。しかし、話し手によってはこれが完全に逆効果な気がするんですよね私は。

「PTA活動は本当にやりがいがあって、生活にハリが出ます!PTAやってなかったらきっと今ごろ家でゴロゴロするだけの主婦だったと思います!」

いや、アナタはそうでしょうが…。働いている人はすでに生活にハリがありすぎるほどにあるし、働いていなくても生活が充実している人はいます。

PTAが「つまらない生活に刺激をくれる潤滑油」としてのメリットがあるといっても響かないどころか、「そんなことのために貴重な有給休暇使ってたまるか!」と思われるかも。

「いろんな人とお話ができるし、いろんなスキルが身に付きます!私PTAをするようになってからはじめてパソコンで文章を打てるようになりました!」

こういう人に限って微妙なフォントのワード文書出して来たりして、後が大変なんですよね。スキルアップのためなら別にPTAでなくてもいいですしね。

「たしかに夜にも会合があって、子どもだけで留守番をすることもあります。でも、子どもって成長しますから、幼稚園の子の面倒をみてくれていたり、電子レンジでご飯作ったりして、とっても成長しましたよ!主人も自分で夕食を作るようになって、けっこう何とかなるものですよ!」

家族崩壊の予感しかしないんですが。子どもを家においてPTA活動って誰のための活動なのって話ですよね。

「できる範囲でいいですし、お仕事と両立されている方もいらっしゃいますよ」

PTAの「できる範囲でOK」は危険です。その範囲を決めるのは他人だからです。

たとえば、小さい子がいるからといえば「Aさんもいるけどやってましたよ?」(実は祖父母がみてくれていた)、「Bさんもお仕事されていた」(週3回のパートタイマー)など、家族構成や労働条件、個人の事情を無視して「やっている人がいる」=「だからあなたもやるべき」となるのです。

昔はほとんどが専業主婦だったからいいけど、今は半分は共働きだし、フルタイムの人も少なくないからねぇ

でもPTAを断る理由に「仕事が忙しい」は禁句だからね。

「専業主婦も忙しい」「みんな平等に」って怒られちゃうから。

PTA改革の事例と解決策

全国では旧来のPTAのあり方を変えて新しい取り組みをしている例が見られます。

  • やりたい活動を募集(名古屋市立吹上小学校)
    ⇒すべての活動に参加者が集まり、保護者の満足度が上がった
  • 集まった人数でできる範囲で活動(札幌市立札苗小学校)
    ⇒必要性の低い仕事が減り、少ない人数でもまわるようになった
  • 保護者会と名を改め役員は報酬ありに(東京都下の私立小)
    ⇒役員は学年に2名のみ、年間2万円の報酬をPTA会費から支払う
  • 作業の外注化(東京都下の公立小)
    ⇒PTA総会のための会議資料の印刷・ホッチキス止めを業者に外注

ポイントはいかに「仕事を減らす」か。今ある仕事の分担方法を変える小改革はよく見られますが、まずは全体量を減らすことが大事です。でもそうすると全員に仕事が行きわたらなくなる問題が出てくるのですが、そもそも全員じゃなくていいのでは?と私は思います。

娘の学校では過去の役員さんが頑張って仕事の量はかなり減ったのですが、そのためにやることがない保護者が出てきてしまったため、専門家を呼んで講演会を開催し、その観客にPTAを動員しています。

会議や事務などの仕事を減らした結果、講演会のサクラの仕事が増えたって、本当に意味が分かりません。

PTAの人がこだわる「みんな平等」をあきらめれば解決することがたくさんあります。そもそもボランティアとは自主的におこなうものだったはず。PTAは一度解体して、学校や子供のために何かやりたいと思っている人達だけで集まったほうが、絶対楽しいし絶対効率的だと思うのですが、皆さんどう思いますか?

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  1. いきなり軟禁!「委員が決定するまで帰れません」
  2. PTA会長が決まらない!暗躍する「次期役員ハンター」
  3. 逆効果!PTA役員をやる意味を熱く語る経験者
  4. PTA改革の事例と解決策
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