ゴミ屋敷化した実家を片づける方法はあるのか?
こんにちは。白金ちなです。
モデルルームとまではいきませんが、なるべく自分の家は清潔で過ごしやすい状態を心がけています。でも、身近な人の家が散らかっていると、まるで我が家のホコリが増えるような感じがするのはなぜでしょう。何をいいたいかというと、実家が汚い、という話です。
目次
日本中にある「実家ゴミ屋敷化」現象
どうしてウチの親はああもモノをためこむのか…年寄りってそうなの?
ゴミ屋敷ってよくテレビでもやってるよねー
実家や義実家の片づけ問題に頭を悩ましている人は多いようです。明らかに不要と思われるものを捨てるようにいっても断固捨ててくれない高齢親。
モノが多すぎて、歩くこともままならない。ここで作られた料理は食べたくないほどの台所。通帳は長らく行方不明。鍵や携帯もしょっちゅう失くす。
なのに全然片づけようとしない。見かねて手を出そうとすると不機嫌になるし、なんで貴重な休日をこんなことに使わなくてはいけないのと結局放置することになる。きっと日本中にある光景。
それにしても実家にはどうして
「これ・・いるぅぅぅぅーー!?」
なモノがあふれているのか。
- 絶対に買わない商品のチラシやパンフレット
- 洗濯前なのか洗濯後なのかも不明な床に散らかった衣類
- せんべいの缶の中いっぱいしまわれた手紙っぽい書類
- 最後にいつ使ったか覚えていないフルーツポンチ用の食器セット
- 社内コンペ優勝などの微妙なレベルのトロフィー
- 色あせて整理されていないアルバム
- 特に良いわけでも悪いわけでもない古い成績表
- ホコリをかぶった謎のオブジェ
こちらの価値観からすると絶対に要らないものでも、持ち主には宝物だったりするらしいですね。モノを捨ててくれないので、片づけといっても右にあるものをそろえて左に寄せるくらいで、何も解決しません。お願い生ごみだけでも捨ててくれ。
捨てない星人のいい分
世の中には捨てる行為そのものが苦痛な「捨てない星人」がいます。特に高齢者に多い。
その理由に必ず挙げられるのが「お年寄りは戦後貧しい頃に苦労しているからモノを大切にする」論ですが、うちの親が生まれた時にはとっくに戦争は終わってたし、裕福ではないけど食うのには困らなかったはず。
貧しさが原因なら昔ほど酷かったはずなのに、ゴミ屋敷化したのはむしろ最近。苦労話では説明できません。
溜め込む人ってだいたい同じこというよね。
分かる。「もったいない」とか「まだ使える」とかだよね。
「いつか使うから」
→ 使わないまま10年経過
「まだ使える」
→ 壊れたり破れたりして絶対使えない
「修理すれば使える」
→ 修理されないまま放置
「いつか売れる」
→ 売る行動(メルカリやリサイクルショップ)に出ない
「誰かにあげるつもり」
→ 誰に上げるのは不明、てかもらう方は迷惑
理てない理由を捨てない星人は並べたてますが、どれも説得力に欠けます。思うに、理由は後付けで、溜め込まずにいられない性分なのでしょう。
「捨てられない」は病気かもしれない
こういう人たちを「ホーダー」っていうらしいよ。
あー、海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に出てきた巨人の・・・
ちがうよ!
ホーディング(保有)する人って意味のホーダー!ちゃんと精神神経学会で定義されてるんだよ。
へー!うちの親もそうなのかな?
ホーダー 捨てられない・片づけられない病
「捨てられない」は病気かもしれない?整理整頓が苦手な人と、ホーダーの境界線はどこにあるのか。
参考になったのはこの本。事例を交えながらリアルにホーダーの問題と解決策をまとめてくれています。捨てられない人がどうしてこんなにたくさんいるのか知りたくてたどり着きました。
本の中からホーダーの思考・行動パターンを抜粋してみました。
- 収集したモノひとつひとつにストーリーや思い入れがある
- 自分の決めた置き場所や収集ルールにこだわりが強い
- 記憶力がよく、何がどこにあるか把握している
- モノを捨てると生きてきた証や自分自身を捨てるようで辛い
- 思い付く選択肢が多すぎて、ひとつを選ぶことができない
- 必要になった時にそれが手元になかったらと思うと不安
- イヤなことがあっても買い物をすれば気持ちが晴れる
- モノを集めることが習慣化しており、しないと強い後悔の念に襲われる
- 勝手に自分のものを片づけられたり捨てられたりすることを異常に嫌う
ホーダーは好き放題やっていそうな感じがしますが、実は大きな苦痛や不安とたたかっているんですね。このような特性がある人は「溜め込み障害(Hoarding Disorder)」の可能性があります。
溜め込み障害の主な問題行動は
- 集めすぎ!
- 整理できなさすぎ!
- 捨てないにもほどがある!
の3つです。これらの特性のせいで普通の生活が難しくなり、精神面だけでなく衛生面や安全面にまで問題が出てきている場合は、診断と治療が必要になってくるようです。
ホーダーは几帳面で裕福な人が多い
ゴミ屋敷というくらいだから、ホーダーには「貧しくてだらしない」イメージがありますが、実際には誰よりも几帳面で意外とお金持ち、という実態があります。
テレビなどでは広いお屋敷からはみ出すくらいのガラクタを溜め込んでいる人がよく出てきますよね。よくお金が持つなぁって思ってたんですよ。
- そこそこの大きさの自宅がある(親から相続するなど)
- 買い物やゴミ拾いなどをこまめにする行動力がある
→モノを収集するスペースと購買力がある
- 何事も徹底的にやってしまうため、収集も徹底的
- テキトーにやるくらいだったら一切やらない
→几帳面すぎて「適度にやる」が難しい
有名なのがアメリカの「コリヤー兄弟」です。ニューヨークのマンハッタンに広い自宅を持つほどの裕福な家庭に生まれ、兄は法律家、弟は技師でピアニストとして活躍していました。しかし次第に家の中はさまざまなモノであふれ、外の世界から遮断された生活を送るように。
親戚や関係者と多くのもめ事を起こしたあげく、最後にはふたりとも遺体で見つかります。社会的にも恵まれた職に就き、高い教育を受けた人でもホーダーになるのですから、貧しくてだらしない人が溜め込み障害になるわけではないのですね。
うちの実家がそこまで酷くはないのは、親がほどほどにテキトーな性格で、財産がたかが知れているからか。。
ドンマイ!
「捨てられない」を解決するには
捨てない星人はモノそのものに強い執着心がある、もしくは捨てる行為に強い恐怖心があることが多いので、勝手に家を片づけてしまうのはのちにトラブルのもとになります。
じゃあどうすればいいの?
それは一朝一夕にはできなくて、まず医療機関や公的機関の支援を得ながら徐々に本人に整理整頓スキルを付けていってもらうしかないんだ。
例えば溜め込んだものを「趣味」「書類」「日用品」に分類して書類は1年経ったら捨てるルールとか・・・
面倒ね。全部燃やそう。
コラー!
あと、やってはいけない解決方法として、「収納スペースを広げる」があります。モノが入らないからと入れる場所を増やしても、あっという間にいっぱいになってしまいます。
空間を適切に使うスキルが足りていないのだから、必要なのは限られたスペースで取捨選択・整理整頓する練習です。
- 勝手に片づける・捨てる
- トランクルームを借りてくる
- 家ごと燃やす
これらはやってはいけない解決法なので、覚えておきましょう。
高齢者宅の片づけはプロにも難しい
ホーダーが高齢者の場合は話がもっとややこしくなります。
プライドもありますし、長年の思い入れもあります。周りに迷惑をかけていると思いたくないというのもあるでしょう。老いを否定したい気持ちと認知の衰えが原因となって、散らかっているのを認めたがらないのです。
プロの業者にとっても、高齢者宅の片づけは最難関のようです。何しろ本人の同意がない限り手を出すことはできませんから。子供がいくら説得しても耳を貸しません。むしろしつこくいうほど態度が硬化します。
ええ~
本人が嫌がってたらどうしようもないの?
人のもの勝手に捨てたら家族でも犯罪だしね…
最悪、親が亡くなってから、片づけのプロにやってもらうという手もありますが、当事者がいないことによって最終的ないる・いらないの判断がとても難しくなります。モノがたくさんあり作業時間が長くなると、業者に払うコストも高くつきます。
1Rのゴミの搬出くらいであれば5万円程度で済みますが、ドアも開かないくらいモノがあふれていてネズミやゴキブリが繁殖するレベルまで汚れていると100万円を超えるケースもあります。
簡単に解決しようとしないこと
ホントどーしたらいいの?って感じですが、全国でも対応が大きな問題になっているようです。地域包括支援センターと医師が連携する自治体ではある程度成果は上がっているようですが、それでも本人が拒否する中でどこまで介入するかが課題となっています。
つまり、簡単には解決しないということ!
ちなみに実家の片づけは悪いことばかりじゃないよ。
コレついでに借りた本なんだけどさ。
わ!
しおり代わりに1万円札が何枚もはさまってる!しかも聖徳太子だ!!
実家の片づけはちょっとした宝探しですね。。
モノがあふれていませんか?
もし親がホーダーだったらどうしますか?