マンションの売却理由を聞かれたときの答え方
多くのマンション購入希望者は、マンションが売りに出された理由を確認したいと思っています。そのため突然、売却理由を聞かれることがあります。そのとき売却する理由を正直に答えるとその内容によっては購入に前向きになっていた購入希望者が購入意欲をなくす可能性があります。
マンションのさまざまな売却理由と、そのなかでマンション購入希望者が購入意欲をなくさない売却理由、逆に購入意欲をなくす売却理由について紹介します。
なお、売り主は、マンションの売却にあたって瑕疵(かし)担保責任を負うために、正直に答えないと売買が決まった後でも最悪は契約解除になる可能性があります。そのことについても解説します。
マンションを売却した人のさまざまな理由
マンションを実際に売却した人の主な売却理由を以下に紹介します。売却理由は1つではなく複数あるのが一般的です。
今より良いマンションに住みたくなった
この理由が実際にマンションを売却した人に最も多くみられます。なぜなら、この理由の裏には、広さ、最寄り駅からの距離、周辺環境、マンションのグレードなどの他に、以下の(2)から(8)に紹介する理由の多くも、このなかに含まれているとも言えるからです。
複数の理由でマンションを売却したいとき、それらを個別に答えるのが面倒なために、この理由で済ませられるからです。
便利な理由ではありますが、この理由だけを答えると、購入希望者によっては「このマンションは良くないのか」と悪い印象を持たれたり、「どこが良くないと思ったからですか」などと聞かれたりします。
マンションに住めなくなる理由が発生した
この理由には、結婚、転勤、子どもの増加、親や子どもとの同居など前向きに新しい生活に向かっていくというポジティブなニュアンスが含まれます。そこから、売却したいマンションに不満はないことがメッセージとして購入希望者に伝えられます。
マンションに住むには不便な理由が発生した
この理由には、通学や通勤、買い物環境、騒音などの生活環境の変化や悪化が生じたからより便利な場所のマンションに変わりたいという願望が含まれています。(2)とは、異なり購入希望者にはネガティブなニュアンスを与えます。
通学や通勤の変化・悪化は、通学先や通勤先が子どもの成長や仕事の関係で変化して、今までの通学・通勤先が変わって不便になれば必然的なことですが、具体的な地名をあげて説明しないと、購入希望者のなかには、ここは不便なマンションだと思われてしまう可能性があります。
現金が必要になった
この理由には、離婚、事業、相続税、不動産の買い替えなどのいろいろな理由で現金が必要になったことが含まれます。この理由は購入希望者に足元をみられて売却価格の引き下げを場合によっては強く要求される可能性があります。また、離婚が理由だと購入希望者によっては、縁起が悪いと低評価される可能性も考えられます。
ローン支払いが厳しくなった
この理由は(4)にも含まれますが、より強く売却価格の値下げ要求を迫られる可能性があります。また、購入希望者によっては、上記の離婚と同様にあまり良い印象を持たない人もいます。この理由しか売却理由がなくても伏せておいて別の理由を言ったほうがよいでしょう。
老朽化や設備の不具合が気になった
この理由は、(1)や(3)にも含まれますが、老朽化や設備の不具合を売却理由にあげるのは悪い印象しか購入希望者に与えません。この理由しか売却理由がなくても伏せて、別の理由をいいましょう。
ただし、瑕疵担保責任が問われる不具合については、正直に話さないと後で契約解除などの大きな問題が生じます。瑕疵担保責任については、この後に解説します。
住環境が悪化した
この理由には、近隣トラブル、騒音、日当たり、事故や事件の多発などが含まれます。この理由は(3)にも含まれますが、(6)と同様に売却理由にあげるのは悪い印象しか購入希望者に与えません。瑕疵担保責任を問われる理由以外は伏せて別の理由を言いましょう。
相続で別の不動産を取得しそちらに住むことになった
親が亡くなって不動産を相続して、そこに住むほうが便利な場合などです。
マンション購入希望者の購入意欲が落ちない売却理由
マンション購入希望者の購入意欲が落ちない売却理由は以下の理由です。
- 子どもの増加あるいは成長、または親との同居が必要になり広い住宅が必要になった
- 転勤や年老いた両親と同居するために出身地など別の場所に住まねばならなくなった
- 不動産を相続してそこに住むことになった
購入希望者の購入意欲が落ちる売却理由
マンション購入希望者の購入意欲が落ちてしまう売却理由は以下の理由です。
多くのマンション購入希望者が購入意欲をなくす売却理由
- 老朽化、欠陥
- 日当たり、風通し、騒音、近隣トラブル、事故、事件など住環境の悪化
一部のマンション購入希望者が購入意欲をなくす売却理由
- 離婚した、現金が必要になった、ローン支払いが厳しくなった
- 今より良いマンションに住みたくなった
- マンションに住むには不便な理由が発生した
隠してはいけないマンションの売却理由
マンション売却理由のなかで売却に不利になると思ってウソを言ったり、隠したりすると売り主が買い主に対して負う瑕疵担保責任を果たしていないとして、売買契約を締結していても買い主は解約できます。
さらに、引越し後であれば転居費用までも負担しなければならなくなります。瑕疵担保責任とは何か、瑕疵担保責任となる売却理由について簡単に紹介します。
瑕疵担保責任とは
瑕疵担保責任とは、外部から容易に発見できない欠陥(瑕疵)があるとき、売り主が買い主に対して負わねばならない責任のことです。ただし、買い主が契約の際に欠陥の存在に気づいていたり、十分に気づけたのに気づかなかったりしたときには、瑕疵担保責任は売り主に生じません。
瑕疵担保責任は売り主が知らなかったことや、売り主に責任がなくても生じるので注意が必要です。
瑕疵担保責任に該当する売却理由
瑕疵担保責任に該当する明確な売却理由は法律で定められていませんが、判例や慣習から一般的に以下のような欠陥が該当します。
- 雨漏り
- 排水管からの水漏れ
- 事件・事故
- 暴力団事務所存在や組員の居住 など
ただし、上記に該当すればすべてが瑕疵担保責任となるわけではありません。また、これ以外の理由が該当する場合もあります。
不具合や欠陥、住環境の悪化などが売却理由になっているときは、販売を依頼する不動産会社とよく相談することをおすすめします。
まとめ
マンション購入希望者からマンションの売却理由を聞かれたときに答えてよい売却理由、避けたほうがよい売却理由、また、売却理由のなかで注意したい瑕疵担保責任に該当する売却理由について解説しました。
高額な買い物になるマンションの購入にあたって買い主はちょっとしたことで購入意欲を失う可能性があります。売り主には気にならない理由でも買い主は気にすることなど本記事を参考に、売却理由を聞かれたら上手な売却理由を回答してください。
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